幽幻道士(キョンシーズ)4のレビュー・感想・評価
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ザ・B級キョンシー
『幽幻道士』シリーズは、香港映画『霊幻道士』で始まったキョンシーブームに便乗した台湾映画シリーズで、日本では元祖の『霊幻道士』をしのぐ人気となり、日本側の出資でテレビドラマ『来々!キョンシーズ』も作られた。明らかに子供向けのドラマで、僕はその頃もう高校生だったんでさすがに興味はなかったが、なぜかチラッと観た記憶がある。今回なぜいきなり映画の『4』を観たかというと、エミリー・チュウが脇役で出演してたから。香港映画で活躍してたが、育ててくれた祖母の看病のため地元台湾に戻ったようだ。
本作はテンテン役が有名な子役のリュウ・ツーイーなのが序盤だけで、すぐ成長して若手女優のリン・シャオロウに交代している。が、個人的にはそこはどうでも良い。まず、ちょっとびっくりしたのがレンタルしたDVDのメニューに言語選択が無く、日本語吹替オンリーだったこと。映像の両脇がカットされた昔のテレビサイズだし、最初に出るタイトル(原題)やエンドロールで流れるキャスト・スタッフの名前の感じもなんだかテレビ番組かオリジナルビデオみたいだ。まあ字幕版が無いものは仕方ないので吹替で観たが、映画自体も明らかに低予算のB級映画。俳優の演技も演出も編集も荒いというか適当だし、特撮はすっげえチープ。80年代後半なのに70年代の香港カンフー映画みたいな作風で、特撮は60年代日本の特撮番組にも劣りそうな出来である。まあ、とりあえず話がわけわからんということはないんで、飯食いながら観るくらいがちょうどいい。さらに吹替も絶対オリジナルはこんなこと言ってないだろというのが丸わかりの自由奔放さで、あのねのねの原田伸郎なんかはおそらく完全に台本無視(笑)。ま、そういうのはこの頃の香港コメディ映画の吹替にもよくありました。明らかにジャッキー映画とかの影響を受けたと思われるアクションだけは、リン・シャオロウがアクションのできる女優ということもあってなかなかの出来で見応えがあった。ただアクションと融合した特撮は死ぬほどチープだが。
お目当てのエミリー・チュウは後半から登場するが(宿屋の女将役)、ちゃんと見せ場もあり、そこも良かった。ま、アクションとエミリーが良かったんで全体的にはそれなりに観れたかなというところ。
テンテンと悪魔
これまでのシリーズと異なり、パラレルワールド的に話が展開。大きくなったテンテンが活躍する。恐ろしい悪魔と強いテンテンとの戦いが見もの。
最凶の悪魔に殺されたリンリン。だが、お腹の子は生きており、金じいさんは法術でその子を誕生させた。それがテンテンだった。テンテンは法術の才能に溢れていてすくすくと成長した。その頃、街ではフルメタルキョンシーを使った強盗が発生していた。一方で親方のもと集ったみなしごの一団がいた。彼らは強盗の話を聞いて、キョンシーに化けて人を脅かしてお金を稼ごうとしていた。偶然、彼らはテンテンらと遭遇し脅かしたが、圧倒的にテンテンらは強く、親方は逃げた。困ったチビクロやトンボは金じいさんを頼った。一方街のホテルではフルメタルキョンシーを操る一団が宿泊し、さらにテンテンの父の青龍が現れ乞食みたいなことをしていた。美しく優しい女のオーナーは、青龍を助けた。しかし、青龍は悪魔にのっとられていた。彼は人を殺し罪悪感を持っていた。悪魔がそこに現れ、金じいさんらと戦いとなる。悪魔は次々と人を乗っ取り、青龍は犠牲となった。チビクロらは特殊霊魂となり奮闘。チビキョンシーも現れ、悪魔と戦った。最後はテンテンの法術で悪魔に打ち克った。
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