「悪女中の悪女さえも魅力的に思わせてしまう恐るべき大竹しのぶの力わざ」後妻業の女 Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
悪女中の悪女さえも魅力的に思わせてしまう恐るべき大竹しのぶの力わざ
途中、なんだ、結局悪の主体は大竹しのぶでなく、後妻業パートナー豊川悦司かと思ってしまった。しかしながら、その思いを自分勝手な生き様で全く悪びれない破天荒さでそれを鮮やかにぶち壊してくれた大竹しのぶのキャラクター像に引き込まれてしまった。
演じているとは思えずまさに役そのものに見えてしまう。そして、しょうがない奴だ、綺麗でも可愛くもないけど、観客にどこか魅力満点と思わせてしまう。
誠実そうだったが脅迫者に変わる永瀬正敏、豊川悦司の強引な色男ぶり、高学歴ビジネスウーマンの様で大竹しのぶと取っ組み合いまでしてくれた尾野真千子も、逆に金を騙し取ろうとする笑福亭鶴瓶もなかなかに良く魅力的と思った。
でも結局、最後死んだと思ったらしぶとく生きていて、いつも通り、全ての印象を大竹しのぶがさらっていってしまった。映画自体がそういう作りをしているものの、それができてしまう女優、何故そういうことができるのか昔から物凄く謎なのだが。
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