「ウザい系POV」死霊高校 Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
ウザい系POV
本作は学校が舞台のホラーで、「死霊館」のテイストで行くと学校自体が呪われている様に感じる邦題だが、実際はその学校で開かれたある演劇に何かが憑いている…というものである。
1993年に、「絞首台」という劇の公演中に演者の学生が本当に絞首台に吊られて亡くなる事故があったそう。冒頭でその際の映像が流れるのだが、それを再演する為に現在の演劇部?の生徒が稽古をしている所から幕を開ける。本番が明日だというのに初歩的なことを注意され、セリフもロクに入っていないのが主人公である。序盤はアホなノリの撮影者のウザさに耐えれればただの学生同士のやり取りを見るだけになるが、時折後半に関係してくる展開もあるため、あまりにも片手間に観ていると損をするだろう。
主人公と撮影者、その彼女の3人がある事をしに夜中の学校に忍び込むのだが、その理由が完全にアホなのと、正当化しているが犯罪行為にあたるものである。ここら辺から撮影者のウザさにうんざりしてくるのだが、真っ先に殺られてくれるので安心できる。不慮の事故とはいえ、命を落とした学生の怨念が渦巻いている、いわゆる曰く付きの演劇という事なのだが、殺された訳じゃなくそんな事で無関係な学生をウザいからって殺すか?と思うが、実はその学生は直前の代役で主人公を任されてしまい、本来は絞首台で劇の主人公を絞首刑にするする実行役、「ハングマン」だったのである。そこら辺の展開は面白かった。意外な関係者等もおり、サスペンス的な部分では評価出来るだろう。だが、恐怖シーンはワンパターンであり、特段目立つ演出も無く、一般的なモキュメンタリーホラーに埋もれてしまっているのが残念な所だ。超低予算の割には確かに工夫されているとは思うが、パンチが弱い作品であった。
ちなみに、アマゾンプライムでは同監督による続編、「死霊高校Ⅱ」が配信されているが、驚くほど話題に上がっておらず、調べてもまともに出てこないという呪われた作品が存在している。