メビウス(2013)のレビュー・感想・評価
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スパイの本気恋愛メロドラマ
スパイが出てくる映画ですがこれは一風変わった恋愛映画です、派手なアクションや頭脳戦を期待する向きには、当て外れでしょう。
リーマンショックの元凶だったとアメリカを追われた金融商品のスペシャリストのアリス(セシル・ドゥ・フランス)が主人公、ロシアのオリガルヒ(政商)ロストフスキーの経営するモナコの銀行に勤めています。おそらくCIAの依頼でロストフスキーの裏金捜査に潜入したのでしょうがモナコ警察と偽ったロシアのFSB(諜報機関)もアリスに目を付けます。さながらダブルエージェントのような危ない役回り。図らずも最愛の人となるモーゼ(ジャン・デュジャルダン)はFSBのエージェント、おそらくアリスにとってモーゼはド・ストライクの好みだったのでしょう、モーゼもまんざらでもない様子。
タイトルのメビウスはメビウスの環のこと、劇中ではWエージェントをもじったように言っていますが裏も表も無いことから愛は一途なのよと言ってるようにも思えます・・。
ただ、アリスを凄いディーラーに見せようとスペイン国債の暴落予測を持ち出しますがネタばらしがないので唐突、無記名の金融商品で資金洗浄というのはそんなに凄いアイデアなのかよく分かりませんでした。ロシアのオルガルヒやFSBの暗躍、毒殺などは如何にも今のロシアを皮肉っているようです。
フランス・ベルギー・ルクセンブルク合作、監督はフランス人、フランス人のジャン・デュジャルダンと英国俳優のティム・ロスにロシア人役、ベルギー生まれのセシル・ドゥ・フランスにアメリカ人を演じさせると言う妙なキャスティング、舞台はモナコとしていますが主な撮影はウクライナのキエフだったそう、国際色豊かですね。
モーゼ役のジャン・デュジャルダンさんは2011年のフランス・ベルギー・アメリカ合作の「アーティスト」でアカデミー賞をとった名優、フランスではOSS 117 というスパイに扮した映画でも人気だそうですから、あて書きだったのかも知れませんね。
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