「逃げないで、知り合う!です」ホーム 宇宙人ブーヴのゆかいな大冒険 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
逃げないで、知り合う!です
キュートな見た目で、愉快な性格。ちょっとお間抜けそうな宇宙人たち、“ブーヴ”。
特技は、逃げる事。宿敵“ゴーグ”から逃げている。
そんな彼らが避難先としてやって来たのが、地球!
こんなお間抜けそうな宇宙人たちにそう易々と侵略されるものか…と思っていたら、
引力をコントロールして地球全人類を一ヶ所に隔離して(そこに“ヒューマン・タウン”という街を作って住まわせ)、だ~れも居なくなった土地や家を頂戴。
一切危害は加えず、あっという間の地球占領。
ひょっとしたら、宇宙人史上最強かも…?
でもそんな中にも、ダメダメくんはいる。
オウ。
ドジばかりで、友達はいない。顔を合わせると相手から「オゥ!」と言われる始末…。引っ越しパーティーを開くも、誰も来ない。
明るく素直な性格だが、いつも独りぼっち…。
そんなオウがやらかしてしまう…!
パーティーの招待メールを全ブーヴに送信。間違えて、全宇宙に送ってしまう。つまり、ゴーグにも。
ゴーグに居場所が知られてしまう…!
ブーヴたちに責めに責められ、哀れオウは仲間たちから追われる身に…。
そんな時出会ったのは…
地球人の少女、チップ。
とある事で彼女は強制移住から逃れていた。
チップは離れ離れになった母親を探している。
ひょんな事からのけ者宇宙人と地球人少女は母親探しの冒険に…。
ドリームワークス・アニメーションは大人向けの笑いが特色の中、本作は王道も王道のファミリー向け。
空飛ぶ車での冒険は夢がある。
勿論、ピンチも。
体色が変わるオウ。喜んだ時や怒った時、悲しい時、嘘付いた時…。
チップとの掛け合い。
育まれる友情…。
母親がオーストラリア大陸にいる事を突き止める。
着き、母親を探すチップ。
その頃ブーヴたちは、やって来るゴーグから逃げようとしていた。
一緒に探すのかと思いきや、オウも逃げる。
しかし、回収された宇宙船内で激しく後悔…。
追われていた身。ブーヴたちを統括する船長から責められる。
それまで何をやってもドジっこだったオウ。
が、チップとの冒険を通じて、得たものがあった。
地球人はブーヴより劣ってなんかいない。
寧ろ、ブーヴに無いものを地球人は持っている。それは、
他人を思いやる事。
自分たちの事ばかり考えて、初めて気付いた。
宿敵ゴーグから逃げてきたが、我々ブーヴも地球人から見れば“侵略者”。
船長は嘲笑するが、オウに感化されて他のブーヴたちも…。
もう逃げない!です。
ドジっこが皆の信頼を得ていく様は胸がすく。
が、いきなり皆のリーダーに任命されるのはちょっと突飛過ぎたけど…。
地球に戻り、チップと再会。チップも母親と再会。
ハッピーエンド…はまだちょっと待って。
ゴーグがやって来た。
恐ろしい宿敵と思っていたゴーグだったが…。
意外な正体。意外な目的。
逃げてばかりではなくきちんと対すれば、相手を知る事が出来る。
リアーナの素晴らしい楽曲がムードの盛り上げに一役買っている。
オウとチップ。
ブーヴたち、地球人たち。
宇宙からゴーグも。
パーティーへご招待!です。
ハッピー“ダンス”エンド。
最近また盛り返してきた感あるドリームワークス・アニメーションだが、2010年代は浮き沈み激しかった。
本作は悪くない方。大ヒットした『ボス・ベイビー』より良かった。