「フランコ個人の経験談を映画化」パロアルト・ストーリー Socialjusticeさんの映画レビュー(感想・評価)
フランコ個人の経験談を映画化
ジェームスフランコは北カルフォルニアの『パロアルト』という町のパロアルト高校に通ったから、ここがかなり背景になっていると思ってみていた。でも撮影は南カルフォルニアだと書いてあったがどうなんだろうと思った。それに、彼は2000年より前に高校生だったはずだが、どんな映画になっているんだろうと思った。
しかし、時代はジェネレーションZ。 我々の頭の中を2021年から7年戻すだけでいい。目的があるかどうかわからない多感期の傷つきやすい、年頃の高校生を考えてみて、この映画をみるといいだろう。🎞大人の私に取って馬鹿なことばかりするなよ命を縮めるなよと言いたくなるかもしれないが。でも、麻薬やタバコや飲酒運転など行動は違うが心のもがきや考えていることは私が高校時代とほとんど一緒。華やかな高校時代でなく、靉靆(あいたい)たる生き方。でも、B先生は誰々が好きだよとか、大人ぶって空虚な言葉も吐いたかもしれない。酒を飲みすぎた仲間もいたかもしれない。しかし、若者の心理状態を掴むのは難しい時がある。フレッドが逆走しようと言った時、テディは断っただけでなく、なぜ、そんな危険なことをしなければならないのかと。そして、車からおろしてと。フレッドは私はボブじゃないボブじゃないといいながら逆走する?自分は堕落してないってこと??ちょっと理解できなかった。
フレッドはちょっと行き過ぎに見えるが、きっとこんなような奴は私が知らないだけでいたに違いないと思いながら見た。フランコの書いた本をもとにしているわけだが、パロアルトは北カルフォルニアのリベラルな高級地域であるから、薬物や、酒は裕福層の産物であるかもしれない。親が出張や、旅行などで家にいない時、その高校生の子供が仲間の高校生を集めてパーティーをするということは聞いたことがある。それに自殺というとアジア人だというステレオタイプもまだあるようだ。
テディとエイプリルはパーティーでも初めは会話が運ばなかった。学校であっても、ガムか飴を上げただけで、意識しすぎて満足に話せなかった。でも、最後のほうで、テディが好きだと2度もアイプリルに言った時の会話が好きだ。いつか自分の気持ちを人に伝えることができるし、それには時間がかかるんだなあと思った。気持ちを伝えるまでにお互いにいろんなことを経験するんだなあとも思った。なんでも、言いたいことを言っているように見えてもね。
アイプリの家族は母親と義父の三人のようだがこの三人が一緒に集まるシーンがない。家族のシーンより友達とのシーンばかりだ。家族が噛み合っていなくエイプリルは孤独のようだ。わざとこのようにしたのかもしれないが、違和感があった。
映画を観た後、フランコのインタビューを聞いた。 やっぱり、撮影はパロアルトじゃなかったんだ。ロサンゼルスだったんだ。プランコの書いた本『パロアルト』を監督が映画化したわけだが、フランコは撮影場所を指定しなく、監督の選択に任せたようだ。 それに、監督から、B先生(サッカーのコーチ)をやってくれと言われた時、嫌だったと。B先生は本当に存在した悪名高き先生で、13歳の少女にもセクハラを働き、監獄に入ったと。 (その後、ブランコもセクハラ問題を抱えたが)
フランコは大学で演劇を教えているから、聴講してみたいと思った。彼の具体的で的確な話し方が好きだ。