「観よう」ダライ・ラマ14世 MIDIさんの映画レビュー(感想・評価)
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東大の学生や女子高生、出産直後の母親、癌患者、元ヤクザ。様々な状況にある日本人が、ダライ・ラマ14世に向けて問いかける。「平和ってなに?」「本当の強さって何?」「私たち若者にできることは?」
この映画には監督が現地へ行き直接取材・撮影したと思われる、チベットの民やダライ・ラマ14世へのインタビュー映像が私たちにわかりやすい形で抜粋・編集されており、チベット人達の生の声と、その考えを知ることができる。「勉強は楽しい?」という問いに対する回答が、チベット亡命政府が経営する学校、チベタンチルドレンヴィレッジの生徒達と、日本の高校生や大学生とで大きく違っていたのが印象的だった。チベットの子どもたちの心には、仏教と、それ以上にダライ・ラマという大きな支柱があるのだ。ダライ・ラマ14世は、自身のことを仏陀の生まれ変わりなどではなく、ただの一人の人間だと言う。だがそう言ったところでダライ・ラマ14世の偉大さに全く変わりはない。
日本に住む私たちは、自分だけが辛い想いをしていると思い込み、不満を持ちがちだが、そういうときはもっと視野を広げることだ。ダライ・ラマや多くのチベットの民のように、同胞を一方的な暴力で失い、国を追われ、苦渋の選択を強いられながらも非暴力訴え貫き、闘ってきた人達がいることを知るべきなのだ。知ることは自分を強くする。自分自身、もっと学び知る必要性を痛感した。
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