無頼漢 渇いた罪のレビュー・感想・評価
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チョンドヨン
ソウルの都心部ではなくて、ちょっと外れみたいなところが舞台みたい多分。東京でいう上野、鶯谷とか北千住とか足立区みたいな。あるいは錦糸町とか小岩とか。ちょっと坂多めの小汚い市場みたいなところだったり、その市場の奥の6畳一間に雑魚寝してる労働者とかチンピラの上を土足で踏みつける刑事。チョンドヨンは分かってはいたんだけど、どハマりの団地暮らしのホステス。相変わらず骨っぽくギスギスしてたり、凛としたり、薄幸な感じがビシバシエロさに昇華されて、ずっと見てられる。衣装とかメイクが素晴らしいくて、音楽も良い感じ。
感情移入はなかなかしにくい。歪曲した愛憎の行く末。
【賛否両論チェック】
賛:情愛を逆手にとって潜り込んでいく刑事と、愛に身を滅ぼしていく女の生き様が、悲劇的に描かれていく。
否:結局のところ、伝えたいことはよく分からないので、感情移入出来ないと退屈すること必至。ラブシーンも意外とあり。
身分を偽った刑事と容疑者の恋人という、決して相容れない2人の歪んだ恋路が、時にスリリングに、時に穏やかに描かれていきます。そして、そんな2人がその愛ゆえに身を滅ぼしていく様子も悲劇的で、印象に残ります。
ただ、どうしても同じようなシーンがずっと続いていくので、感情移入出来ないとすごく退屈しそうです。伝えたいこともイマイチよく分からないので、その辺りは好き嫌いがはっきり出そうな作品でもあります。
韓国ドラマのドロドロした感じが好きな方には、意外と向きそうな作品です(笑)。
曖昧と余韻
尽くす女が、私利私欲に走る2人の男の狭間で揺さぶられる。誠実な女性をないがしろした結果・・
古今東西、いつも語られるストリーですが、韓国の粋をつくすとこんなに奥行きのある映画になるのでしょう。曖昧な雰囲気は古い邦画のよう、後に残る余韻は監督の意図するところなのか?フランス映画のようでもあります。
見るたびに深まる
カンヌの女王、チョン・ドヨンさんももちろん、刑事役のキム・ナムギルさんが鬼気迫る演技を見せてくれる。説明のセリフが一切なく、解釈を楽しめる久しぶりの大人の映画。ほとんど無駄な音楽もなく、リアルな音だけ。ほとんど二人芝居と言ってもいい。そこに低音の効いたチェロの重厚な音楽が重なって、胸に迫る作品です。何度でもみて細部を楽しみたい。釜山国際映画祭で最優秀作品賞、最優秀主演女優賞、音楽賞を受賞。納得。
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