ベアリー・リーサルのレビュー・感想・評価

孤児の少女を集めて特殊工作員に養成する特殊教育機関プレスコットをトップの成績で卒業し、次々と極秘ミッションを遂行していく通称”83号”。暗殺者として育てられた彼女は自らの出自に疑問を持ち続けていたが武器商人ノックスの捕獲作戦で部隊から孤立した際にとっさに自らの死を偽装、カナダからの交換留学生として普通の学園生活から人生をやり直そうとするが・・・というイントロからティーンエイジャーが主役のアクション映画を期待すると強烈な肩透かしを食らうこと間違いなしの、かなりライトタッチな学園コメディ。
”83号”が普通の学園生活を送るための予習にと学園モノ映画をPCで観まくるというスパイスが全編に効いていて、『ブレックファスト・クラブ』から『ミーン・ガールズ』に至る学園モノの傑作群へのオマージュが百花繚乱。ゆえにその辺の知識がないと脱力ドラマにしか見えないかも。
学園モノにおける校内ヒエラルキーは微妙にパラダイムシフトしつつも健在で米国ティーンエイジャーが抱えるルサンチマンは不変、米国の田舎に今もなお横たわる深い闇に正直怯みます。