「社会の暗部を描き、カタルシスの少ない映画」白い沈黙 りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
社会の暗部を描き、カタルシスの少ない映画
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アトム・エゴヤン監督が、ホームグラウンドのカナダを舞台にして、児童誘拐・監禁をモチーフに、社会の闇をサスペンスフルに描いた作品。
映画は、現在と8年前とを時制を行き来して描いていくので、ちょっと気を抜くと何が何だか分からなくなる。
そして、行方不明になった娘・キャスが生きているのは、割と早い段階で描かれるので、サスペンス映画としてはちょっと気勢がそがれるかも。
しかし、映画が進むうちに明らかになる誘拐組織の行為は、ほんとうにおぞましい。
たぶん、この映画の狙いは、ここなんだろう。
だから、組織の全貌そのものも描かれないし、悪をやっつけたというようなカタルシスもない。
ただし、社会の暗部を描いたとしても、最後まで不気味だった『デビルズ・ノット』の方を上に採ります。
今回はアトム・エゴヤンが原案と脚本(共同)を兼ねているので、映画自体が少々混乱気味になったのでしょうかしらん。
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