「高水準なタイ映画」すれ違いのダイアリーズ toshijpさんの映画レビュー(感想・評価)
高水準なタイ映画
2014年の東京国際映画祭で観てとても好きになった作品。
小規模ながら日本で劇場公開されたのが嬉しい。
僻地の小学校という舞台設定、日記を読んで片想いを募らせる展開が良い。
「フェーンチャン ぼくの恋人」の監督が描いただけあって、郷愁を誘う風景や
愛しい想いの表現が秀逸で画面に引き付けられる。
男性教師・女性教師それぞれが、困難に直面したり失恋したりする様子が丁寧に
描かれていて共感できたり応援したくなる。二人の個性の違いも面白い。
邦題で"すれ違いの"とあるように、いくら想いを募らせてもなかなか二人は出会わない。
それでいて同じ場所で時間だけが違う場面を巧みに組み合わせてまとまりのある
映画になっている。この撮影・編集がとても良く出来ている。明らかに違う時間の
出来事が、まるでワンカットで撮影したかのように見えてしまう所が凄い。
夜景の美しさ等も含め映像表現が意欲的で高水準なのは「レヴェナント 蘇えりし者」と
比べても遜色無い。
教師の役割とは?良い教師とは?という問いかけもある。脚本が良くて、
そういったテーマも物語に上手く溶け込ませている。
ラストシーンも良かった。見終わっての満足感が高く、余韻に浸っていたくなる。
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