「話は判ったが」ダムネーション コーヒービートさんの映画レビュー(感想・評価)
話は判ったが
全米には75,000基のダムがあるそうです。
近代のダム技術で作られたダムには
すでに一世紀以上の歴史のあるダムも多いそうです。
一方でダムの建設目的である灌漑・治水などは他の方法が主流となっており
ダム建設反対・撤去の動きも盛んです。
本作では米国北西部のワシントン州にあるダムの撤去を中心に
「ダム反対・撤去」の立場からとらえたドキュメンタリーです。
草の根民主主義を標榜している米国でも、やはりお上が決めたことを
覆したり、建前論の実行は大変だということが理解できます。
本作は時間制限がある映画というメディアという関係からか、
もっぱら鮭の遡上を止めている生態系の破壊や
原住民の文化破壊を中心に捉えていますが、
人によっては「そういう話は結構。」という人もいるでしょう。
原発のように「放置すれば死ぬのは確実」という
切羽詰まった感を表現できないのが無いのが残念です。
翻って日本は、原発どころか、ダムひとつでもなかなか撤去・中止ができません。
本作はダム賛成派やダムに働く人たちもインタビューに応じています。
「日本版」を作ろうとしても、悲しいかな、そこまでは無理でしょう。
(2014年12月渋谷アップリンクにて鑑賞)
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