シアター・ナイトメアのレビュー・感想・評価
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面白かった!
フィルム映画の時代が終わり、DCPによるデジタル映画が主流になったいま、映写技師の技術は不要となり、高価なデジタル設備を導入できない多くのミニシアターが廃業となりました。日本でも映画館閉館のニュースを耳にする回数が増えました。
本作では、ポップコーン売り場に飛ばされた老技師がイチャイチャする若者と効率主義の若い支配人に逆ギレし、とある作戦を実行します。それは老技師自らが監督となり、自分の筋書きに合わせて被害者を心理誘導し、即興編集でホラー映画を作るものでした。監禁されたガールフレンドを救うためにボーイフレンドは指示通りにアクションを開始するものの。。
この映画の魅力はなんといっても、フレディことロバート・イングランドの存在感につきます。パッと見、おだやかな老紳士。エルム街のフレディを演じた本人とは思えません。演技も平凡だなーと思えるのですが、じっくり見ると、彼の目がヤバいことに気づきます。悪巧みが成功したときに見せる純粋で無垢で瞳は演技じゃないですね。本物です。愚かな若者を追い込んでいく姿が清々しいほど生き生きしていました。さすが怪優ロバート・イングランド!
フィルム機材しか扱えない時代遅れの哀れな老技師だと思っていたのですが、話が進むに連れて、最新の映像編集ソフトを使って即興で撮影したばかりの殺人映像をデジタル編集し、しかも音声を自分で吹き替える業まで披露するなど、実は彼がスーパー映像監督であることに気づかされます。そんな技術と能力があるならポップコーン売り場に飛ばされる前に別の道を探せよ!と突っ込みたくなりましたが、こうゆう不気味なシーンの発見こそ本作の醍醐味であり、B級ホラーの楽しみ方なのです。
Sawを代表とするショッキングなシチュエーションホラーが蔓延するこのご時世で、俳優の持ち味をジワリジワリと感じ取れる作品は貴重です!
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