「新解釈が面白いが」ドラキュラZERO くりあさんの映画レビュー(感想・評価)
新解釈が面白いが
不死の怪物として語り継がれるドラキュラの、その誕生の物語。
彼はなぜ、いかにして化け物となり、何を得て、何を失ったのか。
領土と領民を守るために串刺し公と呼ばれるほどのことをしたという史実を下敷きに、領土を脅かす因縁を、力の出所と能力を、新解釈で積み上げる。
映像は美しく、暗く悲しいストーリーにマッチし、演出もすばらしい。
だけどこうひっかかるのが、ヴラドが絶対強者じゃ無いところ。
自分は最強でも、まわりの大切な人を完璧に守り通すことはできず、絶対的な力を得たのにどんどん失っていく、という悲劇的な話なのは最初からわかってるからそこはいいんだけど。
新解釈で追加された制約というか縛りがきついせいで、日の光などの弱点以外には自由な恐ろしい怪物、ではなく、非常に小物感がしてしまっている。
最後の最後、オマケ的シーンもそれに拍車をかけるので後味もなんというか、んー。
星3。派手なアクションを生かしたカタルシスあるものだとか、悲劇的な展開を淡々と描ききるか、どちらかに寄せれていればよかったのだが。
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