「【”あんな風に生きたかった・・。そして母さん元気で。”今作は北から来たスパイ達が、南の人達の生き方に触発され思想が変わっていく様を、前半コミカル、後半アクションと沁みる展開で魅せる作品である。】」シークレット・ミッション NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”あんな風に生きたかった・・。そして母さん元気で。”今作は北から来たスパイ達が、南の人達の生き方に触発され思想が変わっていく様を、前半コミカル、後半アクションと沁みる展開で魅せる作品である。】
■韓国の田舎町への潜入を命じられて、阿呆の振りをしつつ韓国の親切な叔母さんに引き取られ、店番をして2年が経つ北朝鮮のエリート工作員リュファン(キム・スヒョン)。
新たに送り込まれたリュファンと同じ”5446部隊”のヘラン(パク・ギウン)、北にいた時にはリュファンに鍛えられていたリ・ヘジン(イ・ヒョヌ)と共に町に溶け込み、彼らは住民たちと絆を深めていくようになる。
だが、本国のトップの太陽政策変更(南との融和への転換)により、彼らは用済みとなり、北から彼らを”処理”する部隊がやって来る。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・前半のコミカルな展開と、一転して後半のアクション全開でのシリアスな展開のギャップ構成が面白い。
・特に、北朝鮮のエリート工作員リュファンが、上下緑のジャージを着て、阿呆の振りをしつつ、脳内では冷静に韓国の人達の生活ぶりを観察する脳内ナレーションが可笑しい。
・だが、平和な2年間は終わり、北朝鮮トップの太陽政策変更(南との融和への転換)により、彼らの任務は用なしとなり、暗殺部隊がやって来るところからトーンは一気に変わり、激しいアクションと、哀しい展開に転調して行く様は、作品として面白い。
<ラスト、エリート工作員リュファンを慕う韓国警察に歯向かうリ・ヘジンに撃ち込まれる銃弾と、彼を庇うように盾になるリュファンに撃ち込まれる銃弾。
その前に、リュファンを拾い、育てて来た韓国の親切な叔母さんが、彼のために貯めていた預金通帳のシーンは、沁みる。
そして、彼が脳内で呟いた”あんな風に生きたかった・・。”と言う言葉。
今作は北から来たスパイ達が、南の人達の生き方に触発され思想が変わっていく様を、前半コミカル、後半アクションと沁みる展開で魅せる作品なのである。>