「【”バンドリーダーが常に無表情の顔の被り物をしていた訳。そして、皆愛している・・。”今作は、ムッチャヘンテコリンな物語だが、少し哀愁漂うミュージックバンドコメディである。】」FRANK フランク NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”バンドリーダーが常に無表情の顔の被り物をしていた訳。そして、皆愛している・・。”今作は、ムッチャヘンテコリンな物語だが、少し哀愁漂うミュージックバンドコメディである。】
■前衛バンドに加入したキーボード奏者のジョン(ドーナル・グリーソン)。そしてバンドのリーダーは、何故か無表情の顔の被り物を脱がない謎の男フランク(後半、明らかになるがナント、イケメン、マイケル・ファスベンダー)。
彼の才能に引かれたジョンはバンド活動の様子をSNSに投稿し、それがチョビットだけバズリ、大きなフェス”SXSW”に招待される。
◆感想
・とにかく、不思議な哀愁や不条理感を漂わせるミュージックコメディである。
・序盤から、バンドリーダーのフランクは、へんてこな被り物を脱がない。脱がないったら、脱がないのである。
・バンドメンバーも相当に変は人が多く、特にテルミン奏者(っていうか、テルミンを使うバンドってどーなのよ!)のクララ(マギー・ギレンホール)が、矢鱈とジョンに突っかかって来るのに、野外ジャグジーに入っていた彼の性器を見た途端に、ジャグジーの中でハゲシク、セックスしてしまうのである。何だなんだ!
・更にはマネージャーのドン(スクート・マクネイリー)は、被り物をしたまま、何故か縊死するし・・。そして、その死体を合宿していた宿の脇に流れる川に火を付けて流すし・・。
・ジョンはフランクの素顔を暴こうとするが、道に飛び出たフランクは車に轢かれて、素顔で遁走。ジョンも序でに車に轢かれるのである。
■漸く見つけたフランクの実家。そこには彼のごく普通の両親がいるが、二人が言うのはフランクの学芸会のために、被り物を作ってあげたらそのまま、ずーーーーーっと、被り物を取らなくなってしまったという事であった。それを、俯いた顔で聴いている素顔の端正な顔のフランク。そう、彼は精神疾患のために、被り物依存症になってしまったのだが、被り物をしている時は、彼が好きな音楽を楽しめる人生を送っていたのである。
<”皆愛している・・。”今作は、、ムッチャヘンテコリンだが、少し哀愁漂うミュージックバンドコメディなのである。癖になるなあ、あの無表情の顔の被り物・・。>