「面白いけど大味」ミュータント・タートルズ えのきちさんの映画レビュー(感想・評価)
面白いけど大味
『ミュータント・タートルズ』を試写会にて鑑賞。
「トランス・フォーマー」のマイケル・ベイ監督の最新作である。
結論から言えば平凡な出来。
まず、タートルズそれぞれの個性が描き足りていない。見た目の違いが少ないのだから序盤には性格の違いがもっとはっきりわかるエピソードを入れるべきである。
映画開始直後は人間社会を中心に描き、タートルズ達をなかなか登場させない出し惜しみ演出は成功とはいい難い。
それともう一つ、アクションが大味な点。
トランスフォーマーではキャラクターも巨大なので少々大味であってもダイナミックに映るが、ほぼ人間サイズの今作ではもっと細やかなアクションが求められる。忍者であれば尚更である。
そう、彼らは忍者であり、オリジナルタイトルは「Teenage Mutant Ninja Turtles」。
日本でも昔から「ニンジャ・タートルズ」として知られているのに邦題から「忍者」が外されているのも個人的には気になった。
とは言え、冒頭伝えたようにあくまで平凡な出来であり悪いわけではない。
試写会では3D上映だったのだが、後半のアクションは大味ながらもジェットコースターのようでかなりの爽快感であった。
要は全体的にエンジンのかかりが遅すぎるのだ。
前半キャラクターの出し惜しみをした分、盛り上がりに欠け、後半ようやく楽しくなってきたと思ったら終了である。
既に続編が決定しているとの事だが、あからさまに「シリーズ一作目なのでまずはこんなもんですよ」と言う雰囲気が漂っている。
確かに設定やキャラクター的にも面白くできる要素はたっぷりあるので是非次回作に期待したい。