「救いのない結末。当たり前の日々のありがたさを痛感。」ケープタウン 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
救いのない結末。当たり前の日々のありがたさを痛感。
【賛否両論チェック】
賛:ギャングが町を牛耳る様子や、黒人差別の過程など、南アフリカが抱える問題を赤裸々に描く。残酷な展開も、見方を変えれば現実的。
否:手を切り落とされたりなど、描写はかなりグロい。
刑事が2人出てくるというと、“相棒モノ”を想像しがちですが、この2人は基本単独行動で、一緒に行動することはほとんどありません。2人がそれぞれの捜査で、お互いに真実を知るという構図です。展開はある程度予想は出来てしまいますが、実際にはそれを上回る残酷な結末が待ち受けています。最初は冷静に捜査を進めていたアリが、次第に理性を失っていく様も見事に体現されていて、哀しさを際立たせます。
また、情勢不安や麻薬の横行、人種差別など、南アフリカの厳しい現実も如実に描かれていて、自分達が日々を当たり前に過ごしていることのありがたさも、改めて痛感させられます。
描写はかなりグロいので、その辺は心してご覧下さい。
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