「アパルトヘイト」ケープタウン kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
アパルトヘイト
クリックして本文を読む
ソケーラ以下の捜査班にはブライアン・エプキン(ブルーム)、ダン・フレッチャー(ケンプ)がいたが、3人はそれぞれの悩みを抱えながら生きていた。アリはアパルトヘイトの少年時代に犬に睾丸を噛まれ、その上白人警官に蹴られたため不能となっていたのだ。馴染みの娼婦に対しても愛撫するだけしかない、男としては辛い人生。女好きのブライアンは妻と別れ、息子からもバカにされていて、元妻は金持ちの歯科医と一緒に住んでいたが、彼の亡き父親はアパルトヘイト時代の検事で黒人を次々死刑にしていた人物という負い目があった。ダンには妻がいるが、白血病で頭には毛がないものの深い愛情があった。人種差別に対するそれぞれの思惑の中、残忍な事件に当たるが、捜査途中、海岸にたむろしている新ギャングの一味にダンが殺されてしまう。アパルトヘイトの白人と同じく復讐をせず、“赦す”ことを信条とする2人。
事件は単純なものじゃなく、新種のドラッグを使ったものだと判明。それはうつ病を治す目的で開発されたが、人間を凶暴にしたり、自殺してしまうというもの。それを作ったのは黒人だけを大量殺戮できる薬品を開発したのと同一人物というおぞましさ。そして、アリの母親も殺され、ブライアンの元妻にも毒牙の手が・・・
復讐はやめると誓ったはずなのに、結局はアリが科学者を殺し、自分も命を絶った。そして、ブライアンは亡き父親を赦す決意をすることで終了。サスペンス、アクションとしても楽しめるが、民主主義を勝ち取ったはずの南アフリカでの荒んだ現状や、ズールー族の勇ましさってのが印象に残る。
コメントする