「『REC』シリーズの製作陣による映画・・・まるで違う“静と動”」ゾンビ・リミット kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
『REC』シリーズの製作陣による映画・・・まるで違う“静と動”
見たことないと思ってVODにて鑑賞したのですが、途中で見たことあると気づいた。それでも、コロナ禍以前に見たときとは印象が違いました。やはり、感染に関する対策や、ワクチン、特効薬などが気になり、感染者に対する周囲の反応などが興味深い。言ってみれば、ゾンビの設定を利用したパンデミックとそれ以降の物語。
リターンド専門の医師のケイトと結婚したアレックス。ほっとけばゾンビになるリターンドでも発症を抑える注射を打ち続ければ健常人と同じ生活ができるのだ。しかし、天然たんぱく質から作られる治療薬は在庫薄。やがて政府は供給を控える発表をしたため、反リターンド過激派は次々とリターンドを殺害してゆく。主に病院で・・・ケイトの病院でも襲撃犯が現れ、患者を惨殺した上、患者のリストも奪い去った。そしてその殺人者の一人がアレックス宅をも襲うが、逆にそいつを殺してしまい、夫婦二人で貯水池に沈めた・・・
さらに政府は軍秘密警察によりリストアップされたリターンドを探し、患者を一軒一軒捜査し、収容所へ送ってゆく。アレックス夫妻は友人ジェイコブ夫妻の別荘に匿われ、難を逃れるが、合成たんぱく質が完成間近だというのに天然たんぱく質注射薬不足が深刻に・・・。ジェイコブはアレックスの残りの注射薬を持ち去り逃げてしまっていた。ケイトは病院の看護師リヴからこっそり薬を買っていたのだが、最後に分けてもらおうと彼女の家を訪れると、何者かによって殺されていた。落ちていたネイルから犯人はジェイコブの小説家の妻アンバーだと判明。アンバーもまたリターンドだったのだ!病院長に泣きつくケイト。すると試薬を隠し持っていた50日分の注射薬をもらうことができた・・・が、帰り道に暴漢に襲われ、全て無くなってしまう。アレックスは諦めて自宅で自分を鎖で縛り、死期を待っていた。そして最後の時間を過ごすのだ。皮肉なことに合成たんぱく質が完成したと政府発表があったのは、アレックスの死後。なんとも悲しい結末。そして、ジェイコブ夫妻への復讐を誓うケイト・・・お腹の中にベビーを抱えて・・・
なんともまぁ、ゾンビ映画らしからぬ映画。静かなサスペンス映画なのだ!しかもゾンビなんてのは数体しか登場せず、夫婦愛、友情と裏切りを描いた良品でございました。