「ドライブインの意味にニヤリとする映画」ドライブイン蒲生 スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
ドライブインの意味にニヤリとする映画
大して盛り上がるような「コト」は起きないので、単純に面白かったとは言い難いのですが、でも決して嫌いではない映画でした。
勿論、嫌いじゃない理由は染谷将太&黒川芽以の演技あってこそのもので、話だけ見ればつまらないと言う意見の方が多いのも、それはそれで納得だったりもするのですが・・・。
本作のたむらまさき監督は、相米慎二監督等の名立たる名監督の下でずっと撮影をしてきた方なんだそうで。
やたら長回しのシーンが多かったのは、そう言った訳なんですね。
おかげで役者の演技は十二分に堪能できたのですが、こう言った方が作られた映画は、大抵ストーリー構成が微妙だったりするのもあるあるだったりしますよね・・・(苦笑)
ただそんな有って無いような不器用なストーリー構成も、終わってみれば何となく憎めない要因でもあったりはするのですが。
しかしヤンキー思考の映画で、こう何も起きない感じの映画もまた珍しいような?
かと言ってゆる系って訳でもなかったし、ホント印象に残らない、まさしく田舎でもなく都会でもない街道沿いのドライブインのような映画でしたね。
劇中でドライブインの意味を子供に説明するシーンがありましたが、何気にあの台詞がこの映画で一番印象深かったかも。
旅行中空腹に負けて国道沿いのディープなドライブインに入ってしまう時が稀にあるのですが、なかなか当たりに出会えないのも妙に納得!
でも、そんな微妙具合も嫌いではないんですけどね・・・ただ、回想シーンに出てくるドライブイン蒲生レベルは、さすがに手が出ないかな(笑)
で、結局のところ何を描きたかった映画なのかはいまいち掴めなかったのですが、口悪く頭の悪い父親を心底毛嫌いしていた黒川芽以演じる姉と、案外そんな父を嫌いではなかった染谷将太演じる弟のヤンキーもどきな日々は、特別何かが起こるような訳でもないくすんだ日々でしたが、2人の高い演技力もあって、何となく見入ってしまいました。
姉が抱く父への本当の想いが表れたシーン、何気に結構好きでしたよ。
染谷将太のいきがってるけどヘタレっぽい感じも最高でしたね!