「至福の時」NY ANNIVERSARY LIVE! ビリー・ジョエル「ライブ・アット・シェイ・スタジアム ザ・コンサート」 La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)
至福の時
こりゃまた年末になってとんでもない映画を観てしまいました。ニューヨーク・メッツの本拠地であるシェイ・スタジアムでビリー・ジョエルが2009年に開いたコンサートを記録した音楽ドキュメンタリーです。DVDなどでは既に販売されていたようですが、いやこれは、映画館の大スクリーン・大音響で浴びてこその作品です。要らないナレーションは一切なく、フルコーラスの彼の歌とMCだけでグイグイ進んで行きます。知っている曲も知らない曲も圧倒的な音楽の力で見る者を体ごと浮上させました。
通常の観客席は勿論、フィールド内のアリーナまでビッシリの満席で、その人々が彼の歌声と共にうねり、また一緒に歌う姿がとても美しく映ります。この時、彼は60歳を超えていましたが、いやいや歌声がまだよく伸びること、そしてピアノの音色が力強いこと。
突如登壇したゲストのトニー・ベネットと歌う "New York State of Mind" が素敵! ひと気の途絶えた夜の街で寒風を受けながら孤独と共に自由を噛みしめる様な世界を堪能できます。そして終盤、予想もしなかった途轍もないゲストが登場しあの歌を歌ってくれるなんて至福のひと時です。
最後の "Piano Man" を聴いていると、「ああ、僕が人生の終わりに立った時、一体どんな音楽が脳裏に浮かぶのかなぁ」なんて感慨にまで耽ってしまいました。音楽好きの方なら、必見です。
2023/12/23 鑑賞
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