「最もドキュメンタリー的かもしれない」劇場版 テレクラキャノンボール2013 れーいさんの映画レビュー(感想・評価)
最もドキュメンタリー的かもしれない
余程のマニアでない限りヌキ要素はないので、パンツ降ろしてると馬鹿をみます。
ドキュメンタリー映画を観ていて、いつも思うのですが、『これって要は、制作した人間がこう主張したいだけじゃね?』という疑問。
案外ドキュメンタリー映画も、客に楽しんで貰うのを前提としたエンターテイメント性が強くないといけないジャンルだと思うのですが、いつもキモとなる部分で明らかに「観客にはこう思ってもらいたい!」という誘導的な流れを感じてしまい、「んじゃーこれ、ドキュメンタリーじゃないじゃん!」と個人的に興醒めしてしまう。
しかし、この映画は違います。
なんたって、出演者各自が撮った映像を繋げて採点してるだけですもの。
もちろん、素人さんを使ってる(ヤってる)訳なんで、色んなNGやら何やらの事情で編集はしてるでしょう。そこはしようがない部分です。
重要なのは、この映画には残酷な歴史も、政治的主張も、医療問題も、売れないロッカーも、健康を害しちゃうビッグサイズなハンバーガーもでてきません。
つまり、人々の心を誘導するに足りる主義主張がないのです。
そこに映っているのは、それほど栄誉とは思えない、テレクラキャノンボールというレースの1位を目指し、女を求めて奔走する男たちだけなのだから。
今現在、下手したら現存するドキュメンタリーフィルムの中で唯一の純粋なドキュメンタリー映画なんではないかとか、そんな大げさな事まで考えてしまいます。
だからかもしれませんが、自分はグロテスクな表現とか割と大丈夫な方の人間なんですけども、ある場面で嗚咽してしまいました。
だいたいムカデ人間2以上の耐性は必要かと思われます。
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