「画期的な表現の意欲作」トカレフ 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
画期的な表現の意欲作
クリックして本文を読む
この映画はミステリー仕立てのアクション映画なのだが、ミステリー要素があるにもかかわらず、登場人物が誰も彼も裏のない素直な人物であるという画期的な試みがなされている。
結局、犯人が誰かも分からないまま手探りや憶測で復讐をしてしまうため、マフィアやチンピラとはいえ関係のないとばっちりを受ける。気の毒であった。
しかも固い友情で結ばれていたのに仲間を刺殺してしまうなど、素直さゆえの行き過ぎがあった。
敵が誰かも分からないので、主人公に敵対する人物にも、見ているこっちは憎しみを向けることもできずモヤモヤした。
ミステリー映画をさんざん見ているせいで、登場人物には裏があるものであるという先入観があり、怪しんでいるとほぼ全員裏のない人物であった。裏があったのはころされた娘の友達だけだった。そんな画期的な表現の意欲作であることは間違いないのだが、それが面白さに直結しなかった。
アクションの感じはよかったのだが、カメラがチャカチャカ動いたり、カットが激しく切り替わって状況が分からなかった。
コメントする