劇場公開日 2014年5月3日

「地方男子の青春」クジラのいた夏 スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5地方男子の青春

2015年7月29日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

地方都市ならではの青春物語、私も地方出身ですので、共感することも多く、懐かしい思いに駆られながら楽しませてもらいました。
いつも一緒にいた仲間、ボンヤリとした都会への憧れ、今考えてみると本当にくだらないことをして、くだらない悩みを抱えていたなと、ただの笑い話な感じではあるのですが、地方男子の青春って大なり小なりこんなだったよなと、思わずあの頃を思い出しながら見入ってしまいました。

しかしこの映画って、回想シーン以外は全て1日の出来事だったんですね。
全体的にはまあ物凄く荒削りなんですが、何気にうまい構成だったと思いましたよ。
東京に行く主人公チューヤと、彼を見送る友人3人の一風変わった友情物語、ただバカやって終わりかと思ったら、結構心にグサっと刺さることも多くて、いろいろと考えさせられてしまいました。

不思議と年を重ねると無性に郷土愛みたいなものが芽生えてくるのですが、若い頃はそう言った類のものは薄かったですから、チューヤの地元を見下す気持ちも物凄く分かるし、でも仲間とバカやって地元を盛り上げようとするJの気持ちも物凄く分かるんですよねぇ。

しかしJのような暑苦しくお節介だけどいいヤツって必ずいましたね(笑)
チューヤを演じた野村周平の好演も光りましたが、Jを演じた濃いキャラの松島庄汰もなかなか印象深かったです。
まあ小作ではありましたが、何気に好みの映画でした。

スペランカー