「闇金版ラブ・アクチュアリー」闇金ウシジマくん Part2 三遊亭大ピンチさんの映画レビュー(感想・評価)
闇金版ラブ・アクチュアリー
公開初日の一発目を鑑賞いたしました。
前作はDVD鑑賞だったので、劇場に年配の方がたくさんで驚きました。
前作よりも若干登場人物が多いいので、進行上のゴチャゴチャ感を危惧
していましたが、全くそんなことはない。複数の話をテンポ良く見せていくので、全く飽きないし、その中でキャラクター全員が少しずつドツボにハマっていく。丑島と直接絡みのないキャラクターも、浮く事なかった。
もう見ていると苦しいというか、ダメだよ〜と突っ込みたくなるし、闇金に金を借りるのは絶対にやめようと誰もが思うはず。
ちょっと納得いかない部分は、丑島とCOWCOWファイナンスがピンチになる流れ。見ている人にとっての丑島は、言わば何事にも動じない最強キャラなわけで、ガキを引き連れた元族と無職ヤンキーが襲撃を画策したところで、勝負は見えているし、まったくハラハラ感がない。
あとはラスト。各キャラの顛末を見せていく流れのキレが非常に悪い。なんだか無理矢理詰め込んだ感が出てる。神咲が勤める焼き鳥屋さんに、たまたまなのか分かんないけど丑島がいるのも、もうそういうの止めようよと言いたくなる。
でも総じて、傑作。といえるのは、やっぱり個々のキャラが強烈だからだと思う。相沢のクズ感も、蝦沼のキチガイ感も犀原の鬼畜っぷりも(かなりのオーバーアクション)笑えるくらい出ていた。あと特に丑島に対しては、債務者がよく言う「闇金は犯罪だから丑島になにしても平気」みたいなやつ。そういう台詞は前作も今作も何回か出てくるけど、債務者はなにもかも承知の上でお金を借りている訳だし、なんといっても逆らう債務者に対して言う丑島の台詞の一つ一つが正論過ぎる。だから過度の暴力をも度外視して丑嶋△ってなるんだとおもう。
セリフの中で1番秀逸だと思うのは、相沢が飛び込む時に言った「人の顔目掛けて全力で金属バットを振る丑嶋は狂ってる」と一節。債権者はもちろんクズだけど、ここまでダークヒーロー的に描かれてきた丑嶋も負けず劣らずのクソ野郎だって事を、そこで観客に気付かせる。この映画の本質はその一節に凝縮されてるし、そのタイミングも絶妙。見事。
まとまりのない事を長々とすいません。この映画は、闇金版ラブ・アクチュアリー、または闇金版24(ジャックバウアー)かなと。