「ロベール芦塚のファッション・de・ドーモ」DEATH FILE 2 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ロベール芦塚のファッション・de・ドーモ
中学生堀口は証拠不十分のため起訴されなかったが、精神病院に送られた。しかし、何者かによって新たにサイトが復活した。殺害は予告映像として現われるため、予定被害者保護と犯人を拘留すれば未然に防ぐことが出来ると思われたが、アクセス数が大幅に増えたために上手くいかない。
実奈は精神病院にいる堀口を訪ねる。「人を殺すひとも、ある意味被害者です」とすっとぼけたことを言う堀口。自分には止められない。「人を殺すことはいけないんですか?」とも。
唐沢利恵の同級生、太田、佐藤も遊びでイジメの対象になった小阪の名前を書き込んだため、逆に書き込まれてしまう。佐藤たち3人は指名手配犯・土橋に殺される。
「DEATH FILE」の謎を追うため何度も堀口と接触する実奈だったが、やがて土橋の影がちらつき始め、亡き父が以前土橋を逮捕したこともあったことが判明。そして、利恵が学校を休んでいるという陽子からの電話が。誘拐した犯人は土橋じゃないかと悩み、心が折れてしまった実奈は捜査から外され、堀口に頼ってしまう。居場所を教えてもらい、現場に向かおうとする実奈だったが、「あなたは死ぬよ」と言われ・・・
前作での念写超能力がどうのこうのといったテーマは全くなくなり、猟奇連続殺人事件の土橋徹と刑事の対決、そして唐沢実奈の犯罪者に対する憎しみと被害者遺族が「殺してやりたい」と願う気持ちがテーマとなっていた。そんなことを異常な中学生から言われたら、彼女の妹が殺されること以外に展開は見えない。やばい、やばいよ。
ズシリと重さが残る映画だった。殺人事件と被害者家族の問題を改めて考えさせられるほどの重い内容。復讐の連鎖、または殺人の連鎖。法の裁きに任せるという実奈の心も揺らぐことになるのだが、彼女が取った行動とは・・・かなり心に残りそうな作品でもあった。
尚、かつて実奈の父を殺した連続殺人犯は綾野剛が演じている。かつてイジメに遭い、異常な性格だと言われ続け、裁判で正常であると認められて死刑が確定したときに笑っていたという。土橋にも通ずるこの不気味な笑顔がまたいいのだ。