「17歳女子のことは理解不能」17歳 mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
17歳女子のことは理解不能
フランソワ・オゾンという作家は稀有なものをもっている。
彼ほど多彩な作品を撮り続けている映画監督は他にいないのではないか。
「8人の女たち」「スイミング・プール」「Ricky リッキー」
これらを撮ったのが同一の監督とはなかなか考えにくいところである。
17歳になったイザベル(マリーヌ・バクト)はその夏に初体験をすませ、秋から売春を始める。
お金のためでもなく、自分の価値を知るためでもない。
なぜ売春なのか、それはわからない。
ことによると、本人にもわかっていないかもしれない。
母親は医者で、どちらかというと裕福。
ただ、彼女の教育方針そのものは正しいとはいえない。十分にお金を与えればそれでいい、ということは決してないと思う。
お金の苦労はしないにこしたことはないが、そこをクリアするだけでは何かが足りない。この母親は、そこがまったくわかっていない。
イザベルが売春を再開しようとしたときに、颯爽と現れるシャーロット・ランプリングがかっこよかった。
コメントする