「マウンティング女子」FORMA 小二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
マウンティング女子
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脚本は、仁志原了氏(『ばしゃ馬さんとビッグマウス』等)。構成が面白いと思う。
同級生だった女性二人が、ある日突然再会して…という所から始まるストーリー。
前半は、マウンティング女子の生態、あるあるネタ満載。女性率高めの職場にいる身としては、こういう地味な攻撃がいちばん効くんだよねー、うへえ怖いと思う。
後半、様相が変わる。別な怖さも加わる。
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実を言うと、冒頭の2つのシーンが、何だか、わざとらしくて、この映画、乗れないかもと初め思った。
が、しかし、後半になってその2つのシーンの理由がわかる。
前半の何気ないアングルや編集が、後半の伏線となっている。
何気ないセリフが、後になって効いてくる。
地味な映像に、けっこうな情報量を詰め込んでたことに気づく。
そして、この構成が、「人は見ているようで他人の心の中まで見えてない。自分が見たい物しか見ていない。分かった気でいる方が傲慢なのだなあ」という怖さを炙り出していると思う。
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追記1:
ハネケ『隠された記憶』あたりを意識しているのかと思わせる、定点・長回し・自然音のジミな映像だが、変に小難しくならずに、庶民的なリアルさを醸し出していて良かった。本編で長編デビューの坂本あゆみ監督、フレッシュで真摯な作品だったと思う。
追記2:
脚本の仁志原了氏、暢気なイケメン役を本作で演じている。芸達者だなあと思う。
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