赤々煉恋のレビュー・感想・評価
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【”浮遊する自殺した女子高生の地縛霊の深い後悔。”今作は、当時激増していた青少年の自殺防止のために制作された作品である、と書くと信じてしまいそうな作品。自殺は駄目だよ・・。】
<Caution!内容に触れています。> ー ブレイク前の土屋太鳳さんが自殺した女子高生を主演として演じた作品。ー ■樹里(土屋太鳳)は飛び降り自殺をして、肉体を持たない存在になってしまった女子高生。 彼女は死んでからも家や学校、街を彷徨う日々を孤独に送っている。 そんなある日、樹里は、自分の事が見える1人の小さな女の子と出会う。 だが、その女の子の母親(有森也実)は、借金塗れで自殺を考えていた。 ◆感想 ・この作品の原作は朱川湊人氏のホラー短編「アタシの、いちばん、ほしいもの」である。 ・作品内容は、級友のミドリ(清水富美加)が潤也(吉沢亮)にラブレターを渡してほしいと頼まれた樹里が、自分も潤也が好きだったために、その手紙を渡せずに嘘を言い、そんな自分に嫌気がさして、飛び降り自殺をし、浮遊霊になって後悔の日々を送るという、ダークな内容である。 ・そんな中、樹里は自分の事が見える女の子と出会うが、彼女の母親の無理心中を止める事が出来ない。 ・大人になったミドリ(吉田羊)は、乳母車に子供を乗せていつも樹里を見ているように見える。そして、ミドリは”あの頃は楽しかったね。”と寂しげに空を見上げるのである。 ・ミドリの母親(秋本奈緒美)がいつまでも彼女の死を受け入れられない姿も、観ていて哀しい。 <本作は、ファンタジックホラーと言うジャンルになるのだろうが、矢張り観ていて”どんなに辛くても自殺は駄目だよ!”と言うメッセージが込められた作品として、私は観ました。 役者さんは、今観ると当時としては無名だったが、後年名を成している俳優さん達が多数出演しているのも、嬉しい作品でもある。>
テーマはいいけど、伝わって来ない
原作はホラー小説らしいが、映画はダークな雰囲気を漂わせつつの青春ファンタジー。 自殺して肉体を持たない存在となった女子高生が街をさ迷う中、自殺願望のある人間に取り憑く“虫”や生前交流あった人々の今を見て、生と死、自殺した後悔など繊細にして深みのあるテーマを浮かび上がらせる筈が、演出か脚本か語り口が悪いのか、全く話が入ってこない。 主演の土屋太鳳は売れっ子となった今、いい子ちゃん役でどうも演技が堅苦しいが、本作ではなかなかナチュラルな好演。それにしても、随分垢抜けた。 そして、ヒロインの生前唯一の友達役で印象を残すは、今何かとお騒がせの“千眼美子”。 本作のようなシリアスな役から「変態仮面」でのコミカルな役まで、また個人的にも可愛らしくて好きな女優だっただけに、残念…!
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