「娯楽作と見過ごしていい部分と許せない部分」飛べ!ダコタ resuwisshu311さんの映画レビュー(感想・評価)
娯楽作と見過ごしていい部分と許せない部分
どーせ安出来の娯楽作品だろうとさして期待せず。案の定の2流テレビドラマ的臭さふんぷん演出による正視に耐えない代物ではあったが、こういうこともあったのかという少しの興味深さを抱きながら見ていた。
※視聴後に調べようとしたら少なくともウィキにはなかった。
しかし、傷痍軍人:窪田正孝(戦闘中ではなく訓練中の怪我らしいが)が飛行機に火をつけようとした場面には、あれも一種の特攻かと呆れると共に少しばかり腹が立つ。
それはその部分にとても実話とは思えない臭いフィクション的な違和感を拭えなかったからなのだろう。
※その時喧嘩した白人と窪田の和解した場面がなかったのも片手落ちと感じる。村長らに尻拭いさせてそれでほったらかしなんて監督はどういうセンスをしているのか不信感が生じる。
後、村長が「私たちは騙されて戦争に巻き込まれた」と恨めしげに語る村の女に「戦争は国民皆が始めた」といさめる場面は上よりも大きな違和感。
脚本にも名を連ねている監督がどういうスタンスでそんなセリフを言わせたのか真意を測りかねるが、戦争に反対した者、賛意を示さない者は徹底弾圧の上排除されたか、個人ではどうしようもない「同調圧力」に屈さざるを得なかった事実に蓋をするような姑息な責任転嫁としか個人的には感じられなかった。
戦争をまい進させたのは強硬な軍部と、プロパガンダを扇動するマスコミ、それに同調する威勢のいい往々にして暴力的な追従的国民だ。
そんなわけでテレビドラマ主体で長編映画初体験の不慣れな監督が手掛けたこの作品は演出も臭いが、ディティールにくすぶる種をまき散らかし放題の下作というのが結論。
マイナス三ツ星
2102-1
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