「坂本浩一力」009ノ1 THE END OF THE BEGINNING くんぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
坂本浩一力
坂本浩一監督。やりたい放題である。
足。おっぱい。カンフー。ゾンビ。
低予算ジャンル映画のミソをこれでもかと鍋にぶち込んだような作品であった。
ひとつの残念な要素を除けば最高な映画だ。
アダルトビデオでおなじみのあのプールを舞台にキャットファイトを繰り広げるとは!
走り回るだけでなくめちゃくちゃ戦うカンフーゾンビにはさすがに笑ってしまった。同時に新しい。さらには、こんな量どうやったら出るのかと突っ込みたくなるくらいの吐血や出血の量やバイオレントシーン。特撮ではできなかった要素を監督が無邪気に放り込んでるのがよくわかる。
特撮では出来ないと言えば、今作にしつこいぐらいの尺をとって描かれる濡れ場やエロシーン。明らかに必要以上にやっている。少しうざいが。よく考えたら近親相姦もいいとこである。特撮出の俳優に惜しみなく濡れ場をさせるのは、ファンにとっては複雑さと同時に鼻下が伸びる。
今回の長澤奈央は最高である。坂本監督作品では常連になっているが、その中でもトップクラスに好きなキャラクターである。
アクションもほんとうに素晴らしい。
やられ役にスーツアクターを俳優として置いたり、本格的なアクションには抜け目ない。
冗談抜きで、日本版ザレイドを撮れるのは坂本浩一監督だけというのも納得が出来る。
だが同時に非常に残念なところも多い。
それは脚本である。ベテラン長谷川圭一さんを使ってはいるが、いかんせん脚本の出来がすこぶる悪いと思った。ご都合主義や謎が残り上手く使えていない設定の数々。人物を掘り下げられていないくせに下手に長い人間描写。正直中盤から後半の説明や種明かしがかったるい。みんな揃ってモンスターモンスターって記号的すぎるしうるさい。
地味で中途半端なサイボーグの心理葛藤などだらだらしないで、
超エロくてかっちょいいスーパーサイボーグエージェントのアクション活劇。これで十分である。熱のある坂本監督も、湿っぽいものよりあっているのではないかと思った。
せっかく空手経験者である木ノ本君を戦わせて欲しかった。
あとマチェーテキルズや片腕マシンガールよろしく随所に登場するおっぱい兵器。
おっぱい見せて欲しかった。