「●ひとりの男の物語。」ラーメンより大切なもの 東池袋大勝軒 50年の秘密 うり坊033さんの映画レビュー(感想・評価)
●ひとりの男の物語。
大勝軒の店主、山岸一雄氏のドキュメンタリー。
興味本位で観たが、なかなかどうして、深い。
店には、たくさんの弟子がいる。
店が狭いので、ラーメンを作るのは基本的に山岸氏ただひとり。
彼らは、山岸氏の技術を目で盗む。
弟子たちは、3ヶ月くらい修行して自身の店を出店する。
山岸氏も、それでよいと思っている。
のれん代もない。
山岸氏は、店で寝泊まりする。
晩飯もコンビニ調達だ。
たしかに金がかからない生活だ。
しかし単純に、彼が金に興味がない、という話ではない。
幼馴染の奥さんを52歳で亡くしたこと。
そこから彼は、心に蓋をしてしまったのかもしれない。
体がボロボロになっても、厨房に立ち続ける。
ラーメンを作ることだけが生きがいだったのだと思う。
才能があった。
サービス精神旺盛だった。
そんな男の物語。
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