オース!バタヤンのレビュー・感想・評価
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玄海ブルース、聴いてます
歌そのものは置いといて、田端義夫本人の「歴史」をどう描くのか。
コンサート司会の浜村淳が全て語るのである。
いやしかしすごい。バッチリうまくいってる。巧妙な語り口で、田端義夫の生い立ちから幼少期の苦労、そしてデビューまで、手に取るようにわかるのだ!
これはもう、ドキュメンタリー映画の一つの発明と言っても良いのではないか。
関係者やファンの著名人のインタビューの使い方も、長すぎず、編集がうまい。
見ないままだと、もったいない!
6月7日、テアトル新宿で鑑賞。
4月に亡くなったバタヤン(享年94)。
映画は、ある意味、グッドタイミングでの公開、とも言える。しかし、あんまり話題になっていないし、客の入りもどうなんだ?
コチラへのレビューも僕が最初っていうくらい、見られていないのか…。
評者は、音楽といえば、ほぼロック、洋楽を中心に聴いてきた人間なので、演歌・歌謡曲どころか、日本の歌なんてダサイ…と長年思ってきた人間だ。
もちろん、バタヤンの歌も、そもそも世代が大いに違うので、聞いたことは懐メロ番組くらい。父親がレコードを持っていて、時々聞いていたのは覚えているが…。
その程度の知識と関心しかなかったが、日本の芸能界にそれなりの足跡を残した人がどう描かれているのかに関心を持ってみた。
そもそも、音楽系アーティストを描くドキュメンタリーにハズレはない。
これまで、何本か海外アーティストのドキュメンタリーは見てきたが、どれも面白かった、
本作も、亡くなる前、バタヤンの最晩年の現役時代ギリギリをうまく映像として残した、と思う。思い出を語る、それぞれの人の話の引き出し方も、合格だ。
日本のポピュラー音楽に少しでも関心がある人なら、ぜひ見ておくことをお勧めしたい。
音楽に関心の薄い映画ファン、映画に関心の薄い音楽ファン…それぞれを十分に満足させてくれる人間・バタヤンの魅力がスクリーンから伝わってくる。
作品としていいデキなんだから、もっと映画館に客が入っていていいんじゃないか。もし不入りだというなら、これをうまく宣伝できていないのが問題なんじゃないのか?
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