「伝記ものとして上」ワン チャンス KIDOLOHKENさんの映画レビュー(感想・評価)
伝記ものとして上
主人公のかわいそうな境遇とポテンシャルを見せおき、時折壁にぶつかりながら(その壁の一つはお約束で女絡み)そこそこトントン拍子に出世していくサクセスストーリー。普通の映画だったら「そんなうまくいくか」といって怒られそうな内容。たとえば彼女との出会いにしても。でも映画の初めのところで ”実話に基づく” という魔法の一言を書いておくだけで、そこそこの名作になってしまう。伝記ものはどれを見てもみんな同じ・・・途中までそう思いながら見ていたら・・・本当にクライマックスのところまではいつでもどこでもよく観かけるような単なる伝記ものだったのだ・・・が・・・こいつのクライマックスにはやられた!・・そこに至るまでわざとそれをあまり見せないでおいて最後の最後で見せることによって発生する効果!!・・そういうクライマックスが待っていることが分かっていてながらも「やられたっ!」ってなった。
そして映画が終わるまで・・エンディングテーマでさえオペラが使われていない。それによって映画を観終わった後もそのシーンだけが頭に残る。まさに演出の妙だ!これぞ映画! 監督は映画の評価が3.0から4.0になるワンチャンスをものにした。
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