「幸せな気分になれる映画でした」ワン チャンス スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
幸せな気分になれる映画でした
実話を基にした映画ですから、当然ながら結末は分かってましたが、それでも感動できるよう持ってくるストーリー構成は、何気にお見事だったと思いました。
タイトルは「ワン チャンス」と軽い感じでしたが、そこに辿り着くまでの主人公ポール・ポッツ氏の人生が本当に挫折の連続で、チャンスを何度も逃してきた人生でしたから、ワンチャンスと言うよりは最後のチャンスを生かしたその人生模様に、思わず感動させられた話でしたね。
まるでドラマのような人生模様、これぞザ・サクセスストーリー、こんな奇跡が起こる可能性も稀にあるからこそ、人は夢を見るのでしょう。
勿論天性の才能、弛まぬ努力、妻の献身的な愛、そして周りの温かい支援が無ければ、おそらくは成し遂げられなかったはず、でも彼の人間性を見ていれば、奇跡に辿り着いたのも物凄く納得って感じでしたね。
それとこう言っては失礼ですが、ポールのように顔も体型もちょっとアレな感じでも、こう言ったチャンスを掴めた事実に、妙に勇気を貰える作品でした。
しかし演じたジェームズ・コーデンは、よくよく見ると本人とは体型以外それほど似てないのにそっくりに見えてくる辺り、まさしく嵌り役だったのでしょうね。
ポールの奥さんジュルズのぽっちゃり具合も愛嬌があって、ホントお似合いの2人でした。
その奥さんとの出会いから結婚、そしてポールを献身的に支えた愛の話も、この映画の魅力だったと言えましょうか。
ポールもジュルズもとてもピュアでいい人したから、見ている方も思わず感情移入して応援したくなると言うかね・・・。
ポールの家族や携帯販売店の上司も本当にいいキャラしてましたね
ぇ。
唯一当たりが終始キツかった父親の本当の想いにも最後は感動、まあ音楽映画としてはやや高揚感に欠ける、と言うかもっとオペラに感動できる演出が施されても良かった気はしましたが、サクセス&家族の愛の物語としては申し分なし、とても幸せな気分を味わえた作品でした。