「製作陣に大物がいる第二弾」ラスト・エクソシズム2 悪魔の寵愛 Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5 製作陣に大物がいる第二弾

2025年10月19日
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デイミアン・チャゼルという人物が脚本に携わっているのだが、彼はライアン・ゴズリングを主演に迎え、大ヒットした「ラ・ラ・ランド」の監督である。前作に引き続きイーライ・ロスも製作に名を連ねているだけあって、中々期待させられる物があるが、どうした事か前作よりもパワーダウンした作品になってしまった。前作がPOVだったが、本作では普通の視点に戻っており、作品としてはこちらの方が観やすいだろう。だが、前作のレビューを書くときにも記載した通り、この手の作品はこの時代には「地味な作品」という印象になってしまう事が多いが、本作はそれを助長するかの如く、超絶地味である。

本作には悪魔界の王こと"サタン"や"ルシファー"に並ぶ人気キャラ…じゃなくて有名な悪魔の"ベルゼバブ"が前作で生き残った少女ネルに憑き纏うという物だが、怪異という怪異は本編90分に対して半分にも満たない位にしか無く、夜暗い部屋で観てたらぐっすり眠れそうな位である。ネルが精神病院に預けられ、次第に打ち解けていくシーンはネルの怖く不健康そうな顔つきが変わっていき、それらの演技力や表現力の高さには感心したが、こちらはホラーを観に来た為、そんな細かな演出は程々にしてビビらせて欲しいのである。そんな中で友達が出来たり、ボーイフレンドが出来てファーストキスまで経験しちゃったりと調子に乗り出した頃にベルゼバブはやって来る。エクソシストとてベルゼバブ相手では太刀打ち出来ず、匙を投げる位の死闘と化す悪魔祓いになるのだが、最後の最後でまた衝撃的な展開へと変貌する。この為に静かにしてたのかと感心させられる位だ。そこら辺のシーンは普通に怖くて良いのだが、基本的にはネルに恋するベルゼバブがちょっかいを出してくるという展開のため、嫌がってる女の子にしつこくアタックしてくる男子みたいな形であり、しょうもない奴だな…と思ってしまう。
前作も決して超良作という訳では無いが、ストーリー展開で言うと本作よりも勝っていただろうと思う。最後に好きな子のために身を引くっていうのも必要だぞと誰かベルゼバブに教えてくれないだろうか。

Mina