「やっぱり恐い」麦子さんと しんざんさんの映画レビュー(感想・評価)
やっぱり恐い
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堀北真希主演、ということで、本作、劇場公開時にはどうしても足が向かなかった。
「いや、堀北真希ちがうねん、吉田監督やねん」
という、まあ、行けなかったわけだが、レンタルもある種のAVを借りる覚悟でようやく鑑賞できた次第。
声優志望の女の子という設定や、松田龍平の兄の演出がとってもわかりやすかったり、「赤いスイートピー」の使い方にベタ感、を持たせていたり、いつもの吉田監督のアソビがかなり少ないのは、仕方ないところ。
それは、明らかに「堀北真希」目当ての観客層を狙ったもの。
しかし、
堀北真希級の女の子が歌手になる夢を追って、都会へ行くも、夢破れ、結婚し、離婚し、子供たちの生活費を送るため、ラブホテルの清掃員でせっせと働き、体を壊して、最後に自分の欲求を満たしたいので、無理に子供らに同居を迫って、あっけなく死んで行く。
麦子が遺骨を田舎へ、麦子を見て、皆、彩子、彩子と連呼する。
ああ、なんて恐ろしい映画。町のアイドルのなれの果て。
さすが、吉田監督。もう、恐怖映画の第一人者と言ってもいい。
そこからの「ほっこり」は、定番なのだが、悲壮感が強引にクリアされるのではなく、彩子さんの若い頃も演じる堀北真希の、アイドル感と親近感の絶妙さのおかげで、無理なく「ほっこり」させられる。
それは、堀北真希という女優の魅力、吉田監督の演出力によるもので、そこは本当に素晴らしい。
だけど、この映画を見て「感動」というのはやっぱり恵まれた人の意見、というのは変わらない。
しかし、置き時計には、こんなオレでも、いやこんなオレだからか、ほっこりする。
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