「高齢者の婚活を温かく見守る時代」燦燦 さんさん マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
高齢者の婚活を温かく見守る時代
年齢が増すほどに、話し相手が欲しくなるのは当然のこと。たしかに友人も話し相手にはなるが、生活のサイクルを共にする伴侶の存在はまた別だ。
77歳のたゑが、結婚相談所のショーウインドウに飾られたウエディングドレスに見とれる姿は何とも可愛らしく、その姿を見る他人の目を意識してはっと我に返る表情に微笑んでしまう。
この世に本当の自分を知り理解してくれる人がいてくれたら、そう願うだけなのだが、周りの反応は意外に冷たい。いい年をして異性を欲しがる、そんなふうに見られてしまうのだ。
もちろん応援してくれる仲間もいるが、当人に近い人間ほど世間体を気にして、なかなか賛同を得られない。これが現実なのだろう。
第二、第三の人生を歩もうという高齢者は、若者以上に異性との出会いは少ない。今や、4人に1人が高齢者。結婚相談所がこうした年齢層にも目を向けていく時代が来ていることを認識させられる作品だ。
たゑのような高齢者を温かい目で見る時代にしなければならない。
吉行和子は、お婆ちゃんと呼ぶのが失礼なぐらい可愛らしい。宝田明は相変わらずダンディーでかっこいい。さらに、さいたまゴールド・シアターの面々が、作品を明るく和気藹々としたものにした。燦燦。
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