アップサイドダウン 重力の恋人のレビュー・感想・評価
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キルスティン・ダンストってこんなに綺麗だった?
キルスティン・ダンストがこんなに綺麗だとは思わなかった。輝いている感じ。今まで彼女が出た作品のなかでは一番綺麗だった。多分、笑顔のシーンが多いせいかもしれない。若いときのキャメロン・ディアス以上だ。
話は、住む世界が違う男女の恋愛物語というよくあるモチーフなのだが、それを奇想天外な設定で、よくぞ映画化したものだというのが率直な感想。個人的にジャンンル分けさせてもらえるなら、メルヘン映画でしょう。そういえば、死後の世界をメルヘンタッチに描いてアカデミー視覚効果賞をとった「奇蹟の輝き」のように映像が非常に美しい。
最後は強引にハッピィーエンドにしたような感じだが、なんて表現したらよいかわからないが、幸せな気分になれた作品だった。
映像美!!
2重引力が存在する惑星ということで、上下に存在する世界がとても美しくて、異世界な感じが良かったです。
トランスワールド社のアダムの席の上の人は、なんか最初悪そうで怪しいなーと感じていましたが、最終的にアダムの味方みたいになったので、意外な展開でした。
物体が逆の世界に行くと、だんだん燃え始めるので、アダムが上の世界に行く時は、ハラハラドキドキでした。
アダムとエデンは本当に仲がよかったのに、エデンが記憶喪失だと分かり、ちょっと悲しくなりました。思い出したときは安堵しました。
最後にはアダムとエデンが同じ世界で暮らせることになり、よかったです。ハッピーエンド最高!
真逆の世界で引き合う恋の引力
重力が上下に引き合う世界。
“上の世界”と“下の世界”の男女の恋を描いたSFファンタジー・ロマンス。
以前見た吉田康裕監督のアニメーション「サカサマのパテマ」とまさかのネタ被り。
同作を見た時、本作も合わせて見ようと思いつつ、結局今頃になってようやく鑑賞。(もう一年以上も経ってるんだけどね…(^^;)
アニメならまだしも、実写でこの世界を表現するとなると、やっぱりユニーク。
“下の世界”から見れば“上の世界”は上下サカサマで、“上の世界”から見れば“下の世界”が上下サカサマで…「サカサマのパテマ」同様、時折頭の中がくるくるこんがらがる。
同じ室内で上下サカサマで仕事するシーンはユニークを通り越してシュール(笑)
(下の世界から見た)空に広がる都市などのビジュアル、幻想的な映像、加えて細かい設定やルールもあり、この世界観に目を見張る。
話は“重力違い”の「ロミオとジュリエット」。
かつて出会った“上の世界”の女性エデンが忘れられない“下の世界”の若者アダムが、唯一上下の世界を通じる大企業に就職し、そして遂に再会を果たすが…。
「ロミオとジュリエット」に韓流ドラマのような記憶喪失。
それでもエデンにアタックし続けるアダム。
上下世界の者同士の交流は禁じられている故、ただ会うだけでもあの手この手駆使しての一苦労。
切ない胸キュンラブストーリーになりそうだが、(ネタバレで)エデンの記憶も突然戻ったりして、ここら辺もうひと踏み込み欲しかった。
上の世界=富裕層、下の世界=貧困層の格差社会、アダムが研究している老化を若返りさせるピンク・パウダーなどもちょっとおざなりになってしまったのが惜しい。
キャストでは、アダムの“上の世界”の同僚の中年社員役のティモシー・スポール。
愛想いい顔しても“上の世界”の人間だから実は…と思っていたら、最後までいい役だった(笑)
「サカサマのパテマ」は冒険活劇要素もあるのでスケールや面白味はそちらにちと軍配上がるが、実写で描かれた上下サカサマ世界だけでも一見の価値あり!
楽しかった
重力で引き離された世界が向かい合っているという世界観がとても面白かった。地球とは別の世界なのだが、自転車や自動車、ビルなどはあるし電話もある。インターネットや携帯はないようであった。そのためなかなか連絡手段がなくて大変そうだった。現代になぞらえて考えれば、北朝鮮と韓国のようなものだろうか。
主人公はそんな区分けされた世界を何度も割と気軽に行ったり来たりしていて、ロマンを感じさせた。反重力の描写が楽しかった。
ヒロインのキルティン・ダンストが元からあんまり可愛くない上に、けっこう老けてしまった。もうちょっと内面の魅力を強調してほしかった。記憶喪失だし、ひょうきんな性格でもなく、特に何が素敵であるというわけでもなかった。
下の男が上の女とセックスしたら、突っ立っているだけで精子が全部上に行くのでそれは双子でも簡単に妊娠しそうだ。むしろ双子でよく済んだものだと思う。精子がずっと体内にとどまりそうで怖い。
面白いご、あと一歩
アイデアが面白く、映像の見せ方も幻想的で、2人の愛が深まる展開などドキドキさせられる。だがストーリーについては後一歩と言ったところ。前半は面白いが、後半は伏線があるのにそれをあっさり回収してしまい、消化不良気味に。もう少し盛り上げても良かったように思う。
設定の考察が甘く感じる。
先にサカサマのパテマに似てる!って話を聞いてたからあの始まりからどんな風にお話を締め括るのか気になって見てみたんだけど、見てみた結果個人的にはパテマの方がまだ納得いく終わり方だと思った。
勿論最初の設定からして違う部分があるし色々試行錯誤したんだろうけど、中盤での逆さまになった時に当然起こるはずの人体への様々な影響が出ないってのは見ていてしっくり来なかった。
個人的には終わり方も唐突で納得出来ない部分があったなぁ…。
重力が真逆に働く関係でも、愛があれば結びつくことができかもしれないと納得させられる映像でした。
これはSFとラブロマンスが合体した、素敵な愛の物語でした。二つの相反する世界に暮らすもの同志の恋愛は、形を変えた「ロミオとジュリエット」のようです。
近接した双子の惑星間で起こる特殊な状況という設定がアイディア賞ものです。その世界では、後で述べる特殊な状況が生む3つの法則と重力によって線引きされた2つの世界の格差を維持する政治的な制度によって、双方の星に暮らす男女は、決して出会ってはいけないタブーが作られていたのでした。
けれども絶妙な偶然で知り合ってしまった主人公のふたりは、数々の障害を乗り越えて愛を貫いていくのです。それは単なる甘いラブストーリーの領域を超えて、重力も、貧富の格差も、政治的な圧力も乗り越えていく愛の力強さ、愛の普遍性を感じさせてくれるものでした。そして運命を切り開き人生を勝ち取る勇気を与えてくれるドラマだったのです。
本作のリアルティを支えているのは、上と下の世界で真逆に働く重力の描き方。特に凄いのは、中間地帯の描き方。序盤で主人公のアダムとエデンが、ロープをつたって抱き合うシーンは、慣れるまで少し意識が混乱するほど絶妙。
中盤から、アダムは自由に上下の世界を行き来するところも精緻で見どころでしょう。その境界で重力が逆に働き出す転換の描き方が傑作なのです。たぶん“かつて見たことがない映画”は数あれども、本作の重力表現は、初体験の感覚となること請け合いです。空に大都会が逆にある造形ぶり、二つの世界が重なるオフィスで天井にも地面側にもシメントリーに事務机が並び、スタッフが働いているという上下逆カットは、圧倒的なリアルティーを見せてくれました。
けれども、ふたりの愛を成就させるためには、この世界の3つの物理法則を乗り越える必要がありました。
「二重引力」の法則の第一は、あらゆる物質はそれが生まれた世界の引力に引き付けられること。
法則の第二は、反対の世界から来た物質は「逆物質」となること。
法則の第三は、「逆物質」に数時間触れると燃焼を起こしてしまうのです。つまり、「逆物質」の関係になるアダムとエデンは、ずっと抱き合っていると燃え尽きてしまう物理関係にあったのです。
加えてふたりには、出会ってはならない社会の掟がありました。アダムが暮らす「下の世界」は貧困層を閉じ込めた植民星。それに対して、エデンが暮らす「上の世界」は富裕層が暮らす支配星。「上の世界」は経済を維持するため、「下の世界」の燃料を不当に低賃金で搾取していたのでした。その支配関係を維持するために、両世界の交流は法で厳しく禁じられて、犯すものは問答無用で銃殺されてしまうのです。
21世紀の諸問題を凝縮したような搾取と貧困の構図は、『エリジウム』と酷似していますが、そこに「二重引力」の法則がのしかかることで、二つの世界の交流は、絶対にあり得ない状況を生み出していたのでした。
さらにふたりの愛を阻むこととして、エデンが記憶喪失になり、アダムとの出会いを忘れてしまうことです。
幼い頃に高い山に登ったアダムは、上の世界で暮らすアダムと逆向きに知り合い、掟を破って愛をはぐくんでいたのです。しかし、上の世界からの摘発に遭い、逃げようとした エデンは下の世界から「墜落」。頭を打つ大ケガを負い、記憶喪失となってしまうのです。一方アダムは、上の世界の人間と交流した罪で逮捕され、家まで焼き払われてしまいます。そしてエデンが大ケガで死んだと思って、自暴自棄に暮らすのでした。けれども愛の力が結ぶ運命の糸は、これで途切れることはなかったのです。
数年後に、エデンが生きていた事実を知ったアダムは、二つの世界を唯一つなぐ「トランスワールド」へ入社します。その会社にはエデンが勤務していて、アダムは危険を承知で、上の世界に潜入して、エデンとの再会を試みるのでした。けれどもめでたく再会したとしてもエデンは記憶喪失になっています。果たしてアダムはエデンの記憶を、蘇えらせることができるのでしょうか。
ふたりがデートするシーンは、いつバレるのか、ハラハラドキドキです。何しろアダムには「二重引力」の法則が働き、会っているだけで、靴が燃え始めるなど難題がのしかかるのですから。
傑作なのは、アダムが上の世界でトイレに駆け込むと、おしっこが重力の法則で下の世界に向かって上に引き付けられてしまうシーンです。重力は、絶対にごまかせないのでした。
しかし、アダムの愛は、そんな重力も乗り越えていく方法を発明してしまいます。その方法もなかなかグッドアイデア。キーアイテムはピンクの蜂蜜。二つの世界を行き交う蜜蜂がもたらすこの蜂蜜が、ふたりを結びつけて、やがて二つの世界を変えてしまうキーアイテムとなるのです。
その結末から感じるのは、水と油のように矛楯する関係も、両者を融合する第三の道があるということです。仏教でいうと“中道”にあたります。たとえ重力が真逆に働く関係でも、愛があれば結びつくことができるというメッセージは、民族や宗教の違いに揺れる現代社会に、そんな違いを乗り越えて人類は愛し合うことができるのだと、暗に問いかけているのかもしれません。
映像面でも、上下世界の色彩設定を変えて、情感を出しているところが巧みです。暗く薄紫な下の世界の配色は、貧困を象徴し、彩度が高めで明るめな上の世界の色彩は、希望と繁栄を強くイメージさせてくれました。
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