「ドキュメンタリーとしては単純な出来」アントン・コービン 伝説のロック・フォトグラファーの光と影 いずるさんの映画レビュー(感想・評価)
ドキュメンタリーとしては単純な出来
だが、それ以上を求めるのも酷でしょう。
平凡だからこそ、押さえるところは押さえています。
彼の写真は、写真集が欲しくなるほど。すばらしく、孤独。
でも被写体はミュージシャンばっかだから、まとめて出すのはむずかしいでしょうね。
彼にとって孤独とは、飯の種。
それが前面に押し出されているので、彼の背中のショットが非常に多いです。
会話を断ち切り歩き出す背中は、彼が撮る写真のような孤独感が滲み出ている。
それでも、寂しさとは自分の世界を作るために必要なもの。
だからこそ、どんなに苦しくても、病気ではないしカウンセラーもいらない、と言います。
だって孤独がなくなったら、これから写真が撮れなくなって困ってしまうもの。
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