劇場公開日 2014年1月18日

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「剛力彩芽と言う呪縛」黒執事 tochiroさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5剛力彩芽と言う呪縛

2014年2月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

興奮

 原作未読でTVアニメもたまにしか観ていないが、この作品がどのように実写映像化されるのか興味があったので映画館に足を運んだ。

 主役の少年(映画では男装の少女)を剛力彩芽が演じると聞いた時、これはもしかして彼女にとって一番の適役ではないかと思った。
 私は正直彼女の女性としてのエロティシズムが欠ける部分を強みだと思っている。「ガッチャマン」でも白鳥のジュンのキャラクターは不向きで(ジュンのコスチュームの胸部を見た時は「嫌がらせか!」と思ったものだ)、甚平のポジションが向いていたと思っている。
 なので、この作品の幼い頃に両親を殺され、女であることを捨て、悪魔と契約して「女王の番犬」の務めを果たしながら仇を追い求める、屈折した陰惨な心を持つ筈の少女をどのように演じるか、楽しみにしていた。しかしスクリーンに水嶋ヒロの演じるセバスチャン(文字通りの熱演)や、優香の演じる若槻華恵はいたが、剛力彩芽の演じる幻峰清玄(汐璃)はいなかった。

 剛力彩芽はアイドルとして強力な存在感を放っている。私もCMやバラエティ番組で見る彼女は大好きだ。しかしそれが映画では逆に呪縛となって、彼女が何を演じても私には「剛力彩芽の演じる○○」ではなく、「○○を演じようとしている剛力彩芽」しか見出すことができない。
 アイドルの余技として女優業を続けるならこのままで構わないと思う(多分演技に対する高評価は得にくいだろう)が、もし演技者としての自分を確立しようとするなら、この呪縛を解かねばならない。

 もし続編が作られるとするなら、是非とも作品世界の住人になりきった「剛力彩芽の演じる幻峰清玄(汐璃)」を見せて欲しい。

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tochiro