「モノに歴史あり」ヒステリア arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)
モノに歴史あり
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冒頭“This story is based on true events”と断りが入るが、これは実話に基づいた作品の場合お馴染みのもので珍しくないのだが、更に“Really”(本当に)と入るのは珍しい。
こう断っておかないと観る人が信じないかもしれない、そういうことだろう。
電動バイブレーター開発秘話。
歴史は19世紀イギリスに遡る。
まさかこれにこんなに歴史があったということに軽く驚くのだが、それより更に驚きなのは、当時女性の気分の浮き沈み、性欲過多、不感症などという症状がすべて“ヒステリー”として片付けられ、症状の酷い女性は病院に入れられ、問題の根源として子宮を摘出されることもあったということ。
まあ、細菌の脅威がないがしろにされる時代だったのだから無理もないのだが…。
“ヒステリー”症状に苦しむ女性に対する治療として性器マッサージを行っていたというのが笑ってしまうのだが、これで思い出すのは『やわらかい手』だ。あちらの舞台は現代だし、対象も男性だが、やっていることは同じ。それを医師がやっていたというのが更なる驚きだ。
扱い方によっては下品になってしまう危険性もあった題材だろうが、恋愛要素を絡めてサラッといい話になっていることに好感が持てる。
跳ねっ返りの女性権利推進論者を生き生きと演じたM・ギレンホールがハマり役。
ジョナサン・プライス、ルパート・エヴェレットいった脇を固める俳優もいい。
モノに歴史あり。
勉強になりました。
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