「この邦題は良いのか?」パーフェクト・トラップ Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 この邦題は良いのか?

2025年10月19日
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原題は「The Collection」。タイトルだけでは単作に思えるが、本作は「ワナオトコ」という作品の続編に当たる。ちなみに前作は「The Collecter」。ダサいがだったら「ワナオトコ:パーフェクト・トラップ」とかにしておけば良いものを…と思うが、なんせマニアしか観ないから大体はその辺を“理解した人たち"が楽しめと言う事なのか。
前作の主人公があれだけ拷問されたにも関わらず、血塗れだがピンピンして出て来てくれて良かった。すっかり脇役に追いやられていたら可哀想だったが、しっかり奥さんも出て来てくれて、きちんと続編を作った感じがする。一応本国では劇場公開されている作品の為、アルバトロス製のツッコミ所MAXで鑑賞に臨む作品と一緒にしては失礼かも知れないが。主人公はどこか頼りない感じだったが、前科2犯の割には善人であり、前作同様に人助けの為に再びトラップ屋敷に入ってしまう。今回は強制的に入れられたにしろ、流石に主人公をクソ野郎にしてしまっては感情移入のカケラも無くなってしまうから勿論善人として描かれるだろうが、何か勿体無い人生だなと気の毒に思えてくる、続編で良くある、「今度は戦争だ!」スタイルで、コレクターを倒すための殺しのプロが複数名現れて、打倒コレクターの為に奮闘するが、虚しくもあれこれ罠に引っ掛かって次々と死んでいく。コレクターは、前作では1人を残して後は惨たらしく殺すというスタイルだったのだが、冒頭のパーティ中のバカども(若者)を回転式の粉砕機で次々と粉々にしていき、犠牲者が数十人単位で一気に出たり、主人公アーキンら突入部隊にはクスリでイカれさせたゾンビの様な手下?に襲わせたり、無差別にカチ殺す様になり、その辺の境界線はどうなっているのか気になったが、スプラッタに細かい説明は不要と言う事なのだろうか。グロいだけではなく緻密なストーリー展開から目が離せない「ソウ」には及ばないが一進一退の攻防戦など、逆に「ソウ」シリーズでは無い展開がある為、後半は主人公をひたすら応援しながらヒヤヒヤして観ていた。そこらじゅうに罠がある為、ちょっと歩くだけで体に力が入ってしまうが、逆にあれだけ巧妙な罠を仕掛けるならなぜここで仕掛けない?と思ってしまう時もちらほら。
登場人物らを泳がせるのだろうが、コレクターがどう言う経緯であの頭脳と格闘術を得たのかはかなり気になる所だ。続編には正直そこを期待していた分、少し残念だったが、気持ちいい位の殺しっぷりは「テリファー」の“アート・ザ・クラウン"も思いっ切り手を叩いて喜んでくれるに違いないだろう。

Mina