ばしゃ馬さんとビッグマウスのレビュー・感想・評価
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夢を追うことの辛さ苦しさを優しく見つめた傑作
𠮷田恵輔作品で一番好きな映画を選ぶなら、迷わずこの作品を挙げる。映画監督になりたいという夢を叶えてしまった𠮷田監督が、下積み時代に溜め込んだルサンチマンを最も美しい形で(同時に辛辣に)昇華させたような作品だと思う。
夢を追うということは、往々にして限られたポジションを奪い合うことであり、誰かが勝ち残ると、その影にははるかに大勢の勝ち残れずに去っていった人たちがいる。その分かれ目になるのは実力なのか、努力なのか、それともただの運なのか? 現実のどうしようもない過酷さ残酷さを、人生のあるべき姿として受け止める。そんなやるせない諦念のようなものを、どんな映画よりも切実に、優しく見つめているのではないか。
がんばれば夢は叶うよ!みたいなメッセージが、とんでもない嘘っぱちのキレイゴトにしか思えない時期や局面は絶対ある。そういう人たちのために𠮷田監督は映画を作っているのだと思える、圧倒的に信頼に足る大傑作。
夢を持てることの素晴らしさ。 しかし、夢を叶えることの難しさ。 さ...
夢を持てることの素晴らしさ。
しかし、夢を叶えることの難しさ。
さらに、夢を諦めることの難しさ。
そんなことを考えさせられた。
自分は叶えられないことを恐れて大きな夢を敢えて持たないようにしてた臆病者だったかな。
叶えられそうな小さな夢を叶え、それに満足している自分は卑怯者なのかな。
そんなことを考えたりもした。
純粋に夢を追える人は素晴らしい、羨ましい。そんな人を応援したい。
麻生久美子さん、美形ですね(笑)
シナリオ学校を舞台に脚本家を目指す、ばしゃ馬のように夢を追いかけて...
シナリオ学校を舞台に脚本家を目指す、ばしゃ馬のように夢を追いかけても一向に芽が出ない女性と、自信過剰で口だけの男の挑戦と葛藤。
夢を叶えられない人もいる。夢に固執してしまって、前へ向けないこともある。長く持ち続けた夢をどうやって終わらせるのか。
そんな夢をたとえ諦めてしまっても、新たな道へ歩いていくことができる。
つまづいてしまった時に、背中を押してくれるようなそんな映画です。
吉田恵輔にハズレ外れ無し。
脚本についての脚本から本邦一の監督兼脚本家、吉田恵輔の手の内を見る悦び。
群像サイズと物語る量の最適で、夢と挫折という普遍的テーマに切り込む。
巧さと撮る動機の強度の合致。
孤独な可愛げが溢れ出る安田章大の天性の魅力。
傑作。
リアルな凡人
序盤は馬渕さんも天童くんもまぁ痛々しい..
夢は努力すれば叶う!
この言葉が昔から大嫌いで努力をし続けてもどうにもならないことなんて山ほどあるのに現実的ではないとずっと思ってた。
最後の最後にぶつけた脚本も結局は落選してしまったところが良かった。
現実的にはこんなものだよね。
夢さえも持たない自分からすると馬車馬の如く夢に突っ走る2人はキラキラしていた。
特に天童くんは痛々しいを上回りイライラしたけど現実を受け入れてからの彼はなんて可愛い...
ジーンときました
麻生久美子さんの演技が良かった。天童はもっと嫌な奴かと思ったら、身近にいそうな人物で最後は憎めない奴でした。安田くんの演技も自然で上手かったです。ありがちな話を飽きることなく最後まで見させてくれた監督と役者達。夢を叶えられなかった私に、とても響く作品でした。こうやってレビューしてる自分もビッグマウスちゃんやなーと思う^^;
痛々しい、苦々しい人生模様でしたが、どこか優しさも感じられる作風が心に沁みました
夢は一体いつ諦めればいいのか・・・。
小さい頃からそれほど大きな夢を抱いて生きてきた訳ではないので、物凄く心に刺さったと言うほどではないのですが、見せ方や役者の演技がホント素晴らしかったので、いつの間にか話にグイッと引き込まれ、いつの間にか思いっ切り共感している自分がそこにいました。
現実を知るまでは、きっと自分は出来る側の人間だと思い込んでいた節が自分にも若干あったりはしましたので、ビッグマウス君の痛々しい言動もどこか分かる気がしたし、現実を知ってからのばしゃ馬さんの諦めきれずしがみ付く様子もどこか分かるような気がしたし、まあとにかく痛々しい、苦々しい現実を描いた内容に、見ていてとても胸が苦しくなった作品でしたね。
考えてみれば夢が叶う人間なんてほんの一握り、そんなに夢が叶う人ばかりいたらそれはもはや夢として抱けませんから、当然その何千何万倍もの夢破れた人が存在するのは間違いない事実。
でも夢って一体どうやって、どの段階で諦めればいいのか、そのタイミングって結構難しいものだなとしみじみ・・・。
諦めなければいつか夢は叶う、努力はきっと報われる、そんなどこかのアイドルが言いそうな言葉も、現実と言う壁の前には非情にも跳ね返されるのが世の常と言うもので・・・劇中そこでもがき苦しむ様子がとにかく痛々しく描かれていたので、見ていて本当に辛くなってしまいました。
また麻生久美子の演技がとにかく秀逸でしたので、余計に感情移入させられました、まさしくばしゃ馬さんの呼び名にふさわしいばしゃ馬っぷりが、ホント痛々しくて泣けてきた・・・。
ただ、現実を知り挫折を味わってからの身の施し方には少しホッとさせられましたかね。
でもあくまで現実路線、単純にハッピーな方向には持っていかないところなんかは、一貫性があった気がして、清々しい気分にはなれないけど、こう言う映画もありだな、作品としてはいい作品だったなと素直に思えました。
人生と言うシナリオはこんなもんだ、でも人はまた小さな「目標」を見つけて生きていく、挫折があるから人は成長できるのかな、そして人の数だけシナリオは存在する・・・ってことでしょうかね。
しかしまあ各人のキャラ設定がホント秀逸な映画でした。
ビッグマウス君と言い、みち代の友人マツキヨさん言い、みち代の元カレ松尾君と言い(麻生久美子の胸揉めてちょっと羨ましい)、皆強さと弱さを持ち合わせていて、人間臭くて良かった、彼らが醸し出す人生劇場に思わず見入ってしまいましたよ。
それと関ジャニ安田の演技に最初はちょっと不安要素を抱きましたが、あのむかつき加減は終わってみればこれはこれとしてリアルで良かったかも、ビッグマウス君はこの先どうなるのかなぁ~。
まあ何にしても、現実を知った大人だからこそ分かる部分もあったりして、大いに共感できた映画でした。
てゆうかさー
金もらってやってる仕事は真面目にやれよ。金払ってお前が焼いた餃子を食わされてる身になれよ。そういう所がなってないから根本的にダメなんだよ。
と思わせてしまう監督の力量。細かい描写がいちいち意味があって素晴らしい。しかし、この主人公達を美化する気にはなれない。恐らく治らないだろう。それも人として慈しむことができる程、こっちも人間ができてない。
そんな披露宴、ハナから出るなよ!
途中体調不良になりかけて記憶薄いが、とりあえず何とも言えない気持ち...
途中体調不良になりかけて記憶薄いが、とりあえず何とも言えない気持ちになる作品
淡々お進んでいく感じは、わざと狙ってるのかな?
心に突き刺さるような、いろいろと考えさせられました。
とても好きなタイプの映画
自分には才能がないことに気づきながらも、夢に向かってがむしゃらにつっぱしる、ばしゃ馬さん。
自分の才能のなさと向き合うのが怖くて、やればできると豪語しながらも一向にシナリオを書こうとしない、ビッグマウス。
二人の気持ち、
特に、ばしゃ馬さんの気持ちがイタイほどよくわかり、観ていてつらくなる。
自分のことは自分が一番よくわかっているんだけど、
ほんの一握りの可能性にしがみついて、
まだいけるって思いたいんだよね。
自分の負け、というか、才能のなさを認めたくないんだよね。めっちゃわかる。
夢は、全員が叶えられるわけじゃない。
夢を叶えられる側と、叶えられない側の人間がいる。
夢を諦めることって、ほんと難しい。
ある意味、夢を見続けることよりも難しいのかもしれない。
私はこの映画を観て、心からそう思った。
たぶん、20代前半にこの映画を観ていたら、感じることは全く違っていたと思う。観る視点が、みち代目線じゃなくて、義美目線になってただろうっていうのかな。
28歳という、今のこの時期に、この映画に出逢えてよかった。
自分自身のこと、一歩引いて考えたいと思う。
うーん…
これ、ずっと見たいなぁ…と思っていてやっと見れたのに何だか期待はずれというかキャストがしっくり来なかったというか…な作品でした。
何かがしっくり来てない時点で映画ってどこか欠けてしまいますよね。
なので、あたし的にはハズレ。
イタくて良い
「さんかく」が非常に良かったが,これも(個人的には感情移入しないけど)イタくて良い.文字情報の「関ジャニむげんだい(と思っていた)」と放送などの音声情報「関ジャニえいと」が同一と知ったwのも収穫
期待以上には良かった!!
何やろ…
夢をもってる人には
何か感じるものがあったり
感情移入できたりするんやろーけど
私には夢がないから
逆に、映画を見て
夢に挫折したり、迷ったりしてる主人公が
うらやましく思えてしまった…
でも、夢がなくても
何か感じるものは少なからずあったかな!!
麻生さんファンとしては楽しめた作品です♡
ファンなので観に行ったものの…
恋愛でもなく、挫折ストーリーでもなく、サクセスストーリーでもなく全てが30-40点位で進んで行った話。多分リアルはそんな感じなんだろうが…
どんなに努力しても努力が実るとは限らない。そんな時どうすれば?的な事を予告コピーになっていたと思うが。その答えをそれぞれの主人公が出しているとは思えず。取り敢えず、私はこの映画から何かを拾う事は無かったかな〜
設定が無理矢理感…
5/17 ばしゃ馬さんとビッグマウス
5/17 DVDにて鑑賞
吉田恵輔監督のさんかくが好きだったので借りてみた。
相変わらずリアリティには溢れまくり。ダメ人間描かしたら本当にうまい。
麻生久美子の役柄は演技もキャラ設定も抜群でああこういう人いるなぁと納得できた。
しかし、ビッグマウス役の安田章大の役柄は設定もあいまいでどうしてこういう人間になったのかというのがわかりずらかった。演技はよかった分残念。
劇中二人が別れるシーンのセリフで安田くんが麻生さんに『またばしゃ馬みたいにがんばるん?』というセリフがタイトルにこじつけたようで必要なかったかなぁと。
安田くん=ビッグマウス
麻生さん=ばしゃ馬
の設定バランスが悪かった。
全体的に悪くはないんだけど、そこが残念。
岡田義徳さんと山田真歩さんの演技は脇役なのにしっかりキャラができていて素晴らしかった。
東京にたくさん溢れていそうな人種をうまいこと描いててそれには共感できた。
10点中で4点。
(了)
夢にしがみつく凡人たちの姿に共感しっ放し!
前に「地獄でなぜ悪い」のレビューでも書いたが、恥ずかしながら映画監督になりたいという夢を本気で抱いた事があり、同時に恥ずかしながら脚本の真似事をした事もあった。
なので本作は、非常に胸にチクチク突き刺さった。
シナリオコンクールに幾度も幾度も応募するも、一時選考すら通らない34歳の馬渕。
一度もシナリオを書いた事が無いくせに、他人のシナリオを酷評する自称天才・28歳の天童。
そんな二人がシナリオスクールで出会って…。
見ていて、二人共、まあイタイ。
馬渕は友人の結婚式での見栄を張ったある台詞に、あー言っちゃった…と思った。
天童のこの自信は何処から来る?
人によっては二人共、好かないだろう。
二人共、意地っ張りだけど、自分に才能が無い事を充分分かっている。
凡人のこそばゆい所を、吉田恵輔監督は、可笑しく切なく愛おしく、絶妙に突っつく。
脚本を書くのって、本当に難しい。
どういう展開にするか、どうシーンとシーンを繋げまとめるか、どんな台詞を喋らすか、展開や台詞にちゃんと意味はあるか、無駄な部分は無いか、間延びしてないか、テンポは良いか…あれやこれやと考える事がいっぱい。一応これでも、脚本の真似事をしていたので(笑)
脚本家として成功しているのはほんの一握り。
その中には、シナリオコンクールに出したら絶対落選する映画の脚本がごまんとある。
シナリオコンクールでは落選したものの、映像化したらひょっとしたら??…というゴミ箱に捨てられた脚本もごまんとあるに違いない。
この差は何なのだろう? プロという肩書きとアマである事の違い?
“才能”の境界線は不鮮明。
夢を叶える事は難しい。
それと同じくらい、一度抱いた夢を諦める事も難しい。
妥協して諦める時はいずれ必ずやって来る。しかしそれまで、格好悪くとも夢にしがみついたっていいじゃないか。
才能? そんなものはやってみなければ分からない。
監督が駆け出しの頃の自身をモデルにした馬渕を、麻生久美子が好演。個人的に思うに、彼女の代表作の一本に挙げられるだろう。
天童を関ジャニ∞の安田章大が演じ、見事な演技を披露する。
レンタルで気に入った作品は二度三度繰り返して見るのに、本作は、繰り返して見るにはちょっと勘弁だった。
あまりにも胸がチクチク痛かった。
だけど、とても心に残る作品だった!
全28件中、1~20件目を表示