「ストーリーの肉付けが。」体脂肪計タニタの社員食堂 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
ストーリーの肉付けが。
大手メーカーであるタニタの快進撃は確かにすごい。
NHKのサラメシなどでも社員食堂が紹介されていたが、
そのヘルシーさに着目したレシピ本がバカ売れして、
ついにはそれを映画化してしまった!…ということ
なんだけど、さすがに観るまで内容を勘違いしていた。
これ、
単にダイエットコメディとして観ればそれなりに面白い。
社員が全員太っているだの、栄養士も昔はポッチャリ
してただの、様々な面白ネタには事欠かないのだが、
おそらくタニタ食堂のリアルを求めて観に来た人には
大いに肩透かしを食わせる作品である。
確かにダイエットは一大イベントである。
かくいう私も、まったくもって痩せられない(涙)
もしも健康的で美味しい料理が毎日食べられるなら、
まぁそれだけでダイエット気分にも弾みがつくものだv
どうせやるなら楽しくダイエットしたい。
食べられない辛さは、食べること大好き♪人間には
武者修行より辛い。目の前をほっそい美人ギャルが、
長い長~いお御足を魅せながらモデル歩きする街角。
いや~あんな風になれたらなぁ、って思いますもんね。
そういう気持ちはダイエット成功者(努力達成者)には
分かるのだろうが、いかんせん太った連中が(ゴメンね)
ただ右往左往して笑わせて挫折して最後は痩せちゃう!
っていう、アニメでいいんじゃないか?というくだらなさを
よくぞこれだけの面子を揃えて撮りましたよね~監督!
という感じがする。発行元のタニタからも是非コメディで♪
と頼まれたそうだが、悪いけど観客はドタバタコメディを
観たかったワケじゃないと思う。
そんなに売れて、有名になった会社の、リアルな実践を
(ドキュメンタリーだとそんなにつまらないもの?)
会社の成功劇と絡めて作っても良かったんじゃないかと
主演の優香はともかく、
浜野謙太の頑張りぶりを観て、ますます感じてしまった。
…ストーリーの肉付けまで省いてどうすんの!
社員たちの頑張りが披露されるはずのラスト。もぼんやり、
レシピに関してはサラッと見せるだけで、あとは本の方を
買ってね!と流される。なんだ、そういう映画だったとは。
(人物にも料理にもストーリーがないのは致命的。勿体ない)