「特殊メークとコント芸」体脂肪計タニタの社員食堂 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
特殊メークとコント芸
確かにタニタ社員食堂のレシピ本は例のない500万部近くも売れて当時話題になった、ブームに乗ってメーキングを映画化するについて、ドキュメンタリータッチでは硬すぎるし、ドラマ仕立てで作るには大げさ、では軽妙なコメディタッチが良いかというと役者と演出に相当の資質を要するのでこれまた簡単ではない。単にコミカルな表情や大げさな所作をすれば笑えるというのは舞台のコント芸、アップで鮮明に写る映画でこれをやると生理的に引いてしまうのがおちである。加えてビフォアー・アフターを狙ってだろうが素でも個性の強い顔に特殊メーク(CGか?)を施せばもはや人類の域を超えてホラーである。メタボ即ちメンタル弱者という設定もこうまで誇張すると偏見を煽っているようで残念だ。優香をお転婆娘に仕立てたのは素晴らしいし檀蜜さんや草刈さんがいい味出している、専務(酒向芳)の2代目にへつらわない男気ぶりも好感が持てる。
気楽な喜劇にしては芝居に力が入りすぎていて疲れる、「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています」もそうだったが李監督は感情の機微を描くのは上手いのだがつくづくコメディには向いていないと思う。
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