劇場公開日 2013年3月9日

「年上の女 と 共産主義(からの 卒業)」革命前夜 jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5年上の女 と 共産主義(からの 卒業)

2018年9月7日
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戦後の若者、特にブルジョア青年は その恵まれ過ぎた生活ゆえ、コミュニストになり易い
罪悪感だろう
本を読む、映画を観る、オペラを楽しむ…
こんな日々を過ごせる者は 思想的にイタリア国民の為に 貢献しなくては… と、考えるのだと思う
(「若者のすべて」を見ると、南部の人々の 艱難辛苦がよくわかる)

イタリアは ファシズムの清算が不徹底で(ファシスト政党が ナチスほど、残虐でなかった為) 社会運動も混乱する
あの叔母の神経症は イタリアの混乱だろう

稚拙な所もあるが カメラワークなどに 非凡なものが見え、若いベルトルッチの瑞々しい作品となった

最後に 自分の住む世界に戻る青年が オペラを観るのも、イタリアらしい
そして 年上の女が捨てられるのも(定番だ!) 一つの季節の終わりなのだろう

最後に子供達に「白鯨」を読んでいるチェーザレは、詩人 チェーザレ・パヴェーゼがモデルで 本は彼の翻訳である
50年に自殺しているが、ベルトルッチは 彼に薫陶を受けたのだと 思われる

jarinkochie