BUNGO ささやかな欲望 幸福の彼方のレビュー・感想・評価
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一生、笑っていようって。
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文豪の恋愛短編小説を映画化したオムニバス・ドラマ(6編)、
「BUNGO ささやかな欲望」の1編。
映画「BUNGO~ささやかな欲望~幸福の彼方」(谷口正晃監督)から。
原作は「林芙美子著『幸福の彼方』」。
戦争で片目を失った男と見合いで結婚した女性が、
のちに結婚を決めた理由を、夫に明かすシーンがある。
実は見合いの時、二人はこんな会話をする。
「(食べ物で)一番、お好きなものは何ですの?」「うどんです」
「小さい頃、何になりたかったですか?」「お金持ちです」
この答えに、彼女がクスッと笑うシーンは、
なぜか私にも印象的で、メモを取った。
その見合いシーンを振り返りながら、
「私、笑わなかったんですよ、ずっと(小さい頃から)」と呟き、
「(だから、この人と結婚して) 一生、笑っていようって」
そうあの時、決めたんです・・そんな言葉が続きそうだった。
どんなに辛い時も、この人となら笑っていられる、
それが結婚を決めた理由だったとしたら、それは素晴らしいこと。
容姿や年収などよりも、大切な条件かもしれない。
ラストシーン、電車の中で向かい側に座る夫婦・親子を眺めながら、
「私も、あんなお母さんになれるかしら?」と夫に訊ね、微笑み合う。
タイトル「幸福の彼方」がピッタリの終わり方だったなぁ。
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