「後を引く恐怖」トリハダ 劇場版 スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
後を引く恐怖
オカルト系ではなく、単純に人間の怖さ、そして日常に潜む恐怖を描いていたからこそ、地味にゾクっとさせられました。
どれも有り得なさそうで有り得なくもないような、微妙な線を付いていたのが何気に上手いと思いましたね。
幽霊とか、ゾンビとか、現実感のないものよりもこっちの方がよっぽど怖いです。
いい人そうに見えて、実は殺人鬼や変態だったパターンのニュースが本当に増加している昨今ですから、尚更ね。
オムニバス形式の7話構成ながら、大きなハズレ話が一つも無かったのもなかなかの好ポイントでした。
メインの話と最後の話以外の繋がりがやや強引(と言うかほぼ繋がっていないに等しい)だったのは、もう一工夫欲しかった感じですが、まあでもどれもシンプルながら地味に恐怖を感じれる話になっていて、タイトル通り鳥肌立ちましたよ。
一番印象深かったのは、やはりメインの谷村美月が演じたクレーマーの話でしたね。
いつも挨拶するいい人そうなご近所さん、でも実際その人はどんな人かなんて知りませんから、その人がまさかの・・・なシチュエーションには、ゾクッとさせられました!
そして最後のエピソードであんな風になってしまうとは、恐ろしい、有り得なくもないところが本当に恐ろしい。
ストーカーの話も、単純に怖かった。
女ストーカーを演じた笹野鈴々音の風貌からして相当怖かったですから、余計にね(笑)
入来茉里の携帯の話も、まあこの話とは別に他人の携帯なんて見たくもないのに視界に入ってくる場合も多々ありますから、それも含めて怖かった!
佐津川愛美のシチュー騒動話も、確かにいくら見ず知らずの人には警戒していても、どうしてもイケメン(または男なら美女)となればそこは人間心理として分かると言うか・・・。
木南晴夏と石橋杏奈の話はやや強引過ぎでしたが、役者とのギャップ込みで怖かったかな。
こう言うスケールの小さい地味な恐怖、結構好きです。